根付くか、フレンチ・スタイル。

まずは,読売新聞の記事をご覧あれ。


 ひさびさにラグビーネタを書いてみようかと思っております。Ernestです。


 今まで,日本代表は“世界に通用するスタイル”を模索し続けてきた,と言っても言い過ぎではないように感じます。ラグビー・ワールドカップ(RWC)本戦には充分に進出できる実力を持っているけれども,実際にはRWC本戦(予選リーグ)でいまだ勝利という結果を出していないわけです。
 瞬間風速的には世界を脅かすようなプレーを繰り出せるものの,それを組織的,あるいは持続的に繰り出すためには“スタイル”を作り出さなければならない。ウェールズで行われたワールドカップ(対ウェールズ戦)を実際にこの目で見て,シロート目ながらに痛感したことでもあります。しかし,ジャパンにどのようなスタイルがフィットするのか,という最初の段階で迷い続けているかのように感じていたのです。


 しかし,今回の方針はひとつの解答になるかも知れないな,と感じています。


 前任指揮官であった平尾誠二氏は,


 「意外に思われるかもしれませんが、外人に比べて日本人の方が、プレーはスキルフルなのです。繊細な技術を駆使させたら日本人はかなりのレベルを発揮できます」

とインタビューに答えています(出典はクレーマージャパン)。


 ただ,ワラビーズスプリングボクスに代表されるラグビー・ネイション,あるいはイングランドウェールズなど6ネイションズ上位のようなフィジカルを持っているわけではないから,いかに相手のファースト・ディフェンスを「回避するか」を主眼に置かなければ攻撃の場面で数的優位を構築することはできない,と考えたのではないか。となれば,コンビネーションの熟成によって持てるスキルを最大限に引き出すことが有効な打開策になり得る。そのためには,どのようなフォーマットを・・・,というロジックフローだったように思うのです。


 そこで,6ネイションズの構成国の中でフィジカルよりも組織力,コンビネーションを主体としたプレーを組み立てるフランス代表のアプローチが浮上してきたのでしょうけれど,日本代表の武器としても結構有効に機能するのではないかな,とワタシは思っています。
 同じく読売新聞の記事によれば,ウルグアイ代表に逆転負けを喫しはしたものの,前半リードしたことからもフランス的なアプローチに一定の手応えを感じているのではないか,と思っています。日本代表が明確な“スタイル”を身に付けたときにはじめて,RWC本戦での勝利,決勝トーナメント進出が現実的な目標として射程に収まるのかも知れないですね。今から期待しています。