欧州連盟杯−準々決勝第2戦。

第1戦をものにしたとは言え,点差はわずかに1。


 それだけに,第2戦の戦い方が重要になっていたのだけど。正直言って,第2戦の4−1というファイナル・スコアは想定していなかったですね。


 欧州カップ戦の恐ろしさを実感しているErnestです。


 “前半早い時間帯での先制点が欲しい”と第1戦に関する(と言うか,第2戦展望の)エントリで書いた通り,20分にダイアーが先制点を奪うのですが,その後踏みとどまれないのが第1戦とは大きく違う部分であり,個人的には誤算だった部分です。前半終了を目前にする40分に同点のゴールを許し,1−1でゲームを折り返す。


 この段階まではマグパイズが準決勝進出に近い位置にいたのだが,後半開始後,ゲームの流れをスポルティングに握られてしまったかのように思う。70分のゴールによって状況をイーブンに持ち込まれ,77分の3点目のゴールによって(アウェイ・ゴールシステムを考慮に入れた)1,2戦合計でも完全に優位に立たれる。そして,アディショナル・タイムにもゴールネットを揺らされ,4−1で第2戦を落とす。結果,1,2戦合計で4−2となり,スポルティングが逆転で準決勝進出を決めている。


 今までのUEFAカップでの戦いぶりを見る限り,ニューカッスルが準々決勝進出を逃したことは確かに残念ですが,マンチェスター・ユナイテッドとのFAカップ準決勝が目前に迫っているだけに,早くこの敗戦からFAカップへと目標を切り替えること,守備ブロックの修正をかけることがより重要だろう,と感じます。


 また,個人的に注目していたカードであるAZアルクマールビジャレアル戦は,結果的には1−1のドローに終わったものの,かなり激しいゲームだったようです。


 ゲーム開始直後の8分にAZが先制点を挙げるものの,20分にはAZ,ビジャレアル双方が退場者を出し10人でのゲームを余儀なくされる。その後,ビジャレアル,AZともに決定的な場面を演出するもののゴールネットを揺らすことはできずにハーフタイムを迎える。後半は,ビジター・ビジャレアルがゲームの流れをつかみ,72分に同点ゴールを挙げる。しかし,あと1点が遠く,結果1,2戦合計で3−2とビジャレアルを下したAZが準決勝進出を決めている。


 AZにしてみれば,必要以上にゲームを難しくしてしまったように思っているかも知れません。逆にビジャレアルの視点で見れば,ホームでの第1戦をうまくコントロールできなかったことが,第2戦にまで響いてしまった,という感じではないでしょうか。言ってみれば,相手の術中にはまってしまったのでは,と思うわけです。


 同じようなことをオーストリア・ウィーンも考えているのではないでしょうか。というわけで,残り2ゲームについて見ていくことにします。


 第1戦においてうまくゲームの流れをコントロールできずにパルマアウェイゴールを奪われ,1−1のドローに持ち込まれたことが第2戦に大きく影響したように見えます。


 ホーム・スタジアムであるスタディオ・エンニオ・タルディーニで行われた第2戦において,積極的に攻撃を仕掛けていくかと思っていたのですが,むしろ「失点をしないこと」を最大の眼目としてゲームを組み立てていたようです。実際,パルマのゲームプラン通りに第2戦はスコアレス・ドローに終わり,1,2戦合計も1−1のドローとなるのですが,アウェイゴールを挙げていることによってパルマが準決勝に進出しています。オーストリア・ウィーンとしては,積極的に仕掛けていく以外に準決勝への活路を見出すことは難しい状況だったのですが,パルマとしては第1戦をドローで乗り切っただけに,必ずしもゲームを支配する必要はなく,守備的なゲーム・プランを選択したのだろう,と考えています。それだけに,オーストリア・ウィーンとしてもパルマの堅守を崩すことが難しかったのではないか,と。このゲームに関しては,パルマの戦略が奏功したと言えそうです。


 そして,最後のカードであるオセールCSKAモスクワ戦でありますが。


 実際問題として,第1戦においてほぼ流れは決まってしまった感があるのですが,第2戦だけを取り出して考えてみれば,オセールがベスト8のプライドを示してくれたと表現することも可能かな,と。


 とは言え,ゲーム内容的には巧みにビジター・CSKAにコントロールされていた,と評価するべきかも知れません。9分に先制点を挙げた後は,あまり決定的な場面を作り出すことなく前半を終了し,後半においても基本的にはその流れは変わることはなかったようです。追加点はゲーム終了10分前,ペナルティ・ゴールを決めたことによってもたらされ,結果2−0でオセールが第2戦をおさえています。
 結果,1,2戦合計で4−2となり,CSKAが準決勝に駒を進めています。


 これらの結果により準決勝進出クラブがすべて決定し,対戦カードとしては

     ・パルマCSKAモスクワ
     ・スポルティング−AZアルクマール


が組まれています。強豪クラブが軒並み敗退し,逆に言えばどのクラブが決勝戦に残っても決しておかしくないだけに興味深いゲームになるのではないか,とちょっと期待しております。