欧州連盟杯−準々決勝第1戦。

・・・とは題してみましたが。


 実際には“第2戦を展望”すべきタイミングですので,第1戦の結果をもとにして第2戦を展望してみることにしようかな,と。だとすると看板が違うじゃあねェか!とか突っ込まない方向でお願いします。


 と,言い訳から入っているErnestです。


 まず,イングランドびいきとしては触れずにはいられないマグパイズから見ていくことにします。


 UEFAカップでのニューカッスルを牽引しているのが,先ごろ今季での現役引退を撤回したアラン・シアラー。ホームであるセント・ジェームスパークで行われた第1戦でも貴重な先制点(決勝点)をマークし,存在をアピールしています。


 ただ,第2戦はそれほど簡単なものではないとも思います。


 スポルティングとしても第2戦はホーム・スタジアムで戦えるだけに積極的に仕掛けてくることが考えられます。ホーム・アドバンテージを存分に生かしてくるだろうスポルティングの攻撃を巧みに抑え込みながら,早い段階で先制点を獲れるかどうか。準決勝への切符を獲得できるかどうかは,ゲームの立ち上がり(=キックオフから20分前後までの時間帯)をどう戦うかにかかっているように思います。それだけに,ホワイト・ハート・レーンでジャーミン・デフォーに沈められたプレミアシップからどうチームを短期間で立て直せるか,がスーネスに課せられた重要な任務だろう,と思っています。


 同じように1点リードで第1戦を折り返しながら,第2戦がホーム,というのがAZアルクマールです。アウェイで理想的な戦い方をしてきたAZですが,チームの現状はあまり第2戦に向けて楽観視できるものではないようです。中田さんのリポート(スポナビ)を見ると,エールディビジの対アヤックス戦(アウェイ)において主力級のディフェンダー3人が負傷し,アヤックス戦以前から戦列を離れているディフェンダーを含めて4人のディフェンダーを欠いている状態であり,第2戦までに何人が100%のコンディションに戻るかどうかは未知数だ,とのことなのです。


 それだけに,どれだけ守備ブロックが機能するか,が第2戦の鍵になってくると思います。そして,ビジャレアルとしては,「決して万全とは言えない」AZ守備陣を早い段階で攻略し,ゲームをコントロールしていきたいはずです。


 本来であれば準決勝への指定席により近い位置にいるのはAZ,と評価して良いはずですが,チーム事情は両者の関係をイーブンにまで引き戻しているように思えます。そして,ビジャレアルはその状況を最大限生かしたいところでしょう。イングランドびいきのバイアスを外してニュートラルに見れば,最も興味深いゲームのひとつ,と思っています。


 もうひとつの興味深いゲームはやはり,オーストリア・ウィーン−パルマ戦でしょう。


 スコア的に見れば第1戦は1−1のドローであり,両者の関係はイーブンのように思えますけど,実際には第2戦をホーム・スタジアム,エンニオ・タルディーニで戦うパルマに流れがあるように感じるのです。イタリアの多くのクラブに共通する非常に現実主義的な(=結果重視型,とも言えるように思います)ゲーム・スタイルは「典型的な欧州カップ戦」の考え方に一脈通じるところがあるように私は感じています。確かにリーグ15位とチーム自体の状況はあまり良いとは言えないパルマですが,決して侮ることはできないと思うのです。


 それだけに,オーストリア・ウィーンとしては決してゲーム立ち上がりから相手のリズムに乗らないことが重要になってくるのではないか,と考えています。ホームであるパルマが積極的に仕掛けてくることは想定しているでしょうけれど,逆に「攻めさせる」ことも考えられる。その時にリズムを大きく崩さないことが,第2戦を有利に戦えるかどうかの鍵になりそうです。


 最後ですけど・・・。


 これ,展望はあまり必要ないように・・・,って失礼か。ともかく,第1戦のリザルトが全てを決してしまったように見えますね.ホーム・アドバンテージを存分に生かしたCSKAモスクワが4−0とオセールを圧倒した第1戦が,オセールのホーム・スタジアムで戦われる第2戦において幅広い選択肢をCSKAモスクワに与えているのは確かです。オセールは積極的に攻撃を仕掛ける以外に打開策はないのですが,CSKAはその仕掛けを逆に利用しながらゲームを展開することも可能なのですから,よほどの事態に陥らない限りCSKAが準決勝への切符を手にするものと見ています。


 とまあ,非常にざっとではありますが各ゲームを見てきたわけですけど,基本的には熾烈な戦いが展開されるものと期待しています。