『ゴール裏の陽だまりで』に憧れて。

ひさびさに「サッカークリック」を開いてみたら,知らぬ間にリニューアルされて「再始動」していたんですね。


 一時は「遺跡」のようになっていただけに,ちょっと嬉しいような気がします。
 Ernestです。こんばんは。


 今回はちょっとだけ,その「サッカークリック」にまつわる思い出話にお付き合い下さい。


 日本が初出場を決めたワールドカップがあった年。すごく苦い初出場だったあの年です。その年の8月,ワタシはロンドンに住み始めました。骨董市で有名なポートベロー,映画で一躍有名になったノッティングヒルに程近い場所にワタシは住んでいました。正直言って,日本語が周りにある環境ではなかった。むしろ,自分から遠ざけていたと言って良いかも知れません。だけど,「日本語環境」という意味では数少ない楽しみがあって。


 当時,ウェブ・ベースのサッカー専門ページはなかなか少なくて,中でも「サッカークリック」は執筆陣が豪華で,定期的にアクセスしていた覚えがあります。木村和司さんや大住良之さん,宇都宮徹壱さんもフォトエッセイを寄稿されていました。その執筆陣の中に,拓海良さんという方がいました。今回タイトルに使わせていただいた,『ゴール裏の陽だまりで』という連載を担当されていた方です。古き佳きイングランドフットボールの空気を,拓海さんなりの優しく温かい目線を通して文章にされている。実体験を交えた思い出話から,現代のフットボールの話題にスムーズにつながっていく。そのエッセイにワタシは魅せられていました。
 いまでも拓海さんのエッセイはアーカイブとして残されていますが,特に『頬にかかる涙』(第33回)というエッセイを読んだとき,いろいろな想いが頭の中に浮かんだこと(当然,涙腺も決壊寸前になったこと)を覚えています。


 フットボール・フリークとしては大先輩にあたる方だし,ワタシの文章など足元にも及ばないことは承知しています。だけど,少しでも近付けるものならそうありたい。そんな憧れの存在です。ブログを書き始めたのは,ひょっとすれば頭の片隅に拓海さんのエッセイがあったからかも知れません。