追記・激しさと冷静さのバランス。

アルパイ選手にも冷静さを求めたいけれど,彼以外にも冷静さを必要とする人間がいるような。


 というわけで今回は独立したエントリにはしましたが,前回エントリの追記,という形をとってエントリしたいと思います。Ernestです。


 日頃,我らがボスには強力なリーダーシップに驚かされるところが多いのだけれど,その強烈な個性がネガティブに振れてしまうとちょっと問題にもなるな,とも思う。


 御輿に担がれるべき人間は,あまり些末なことに動じるべきではない。


 担ぎ手が「担ぎたい」と思うからこそ,その地位にいることができる。そのことを忘れてはならない。担がれているからこそ見通せてしまうことも確かにある。だが,巧みに見て見ぬふりをすることも「担がれる人間」の資質になるはず。担いでいる人間が見るのを待ち,彼らの判断を尊重することもまた重要ではないか。今回の問題を処理すべき責任は指揮官,ゼネラル・マネージャーと強化担当チーフマネージャーにあって,経営トップが「介入」すべき問題ではない。メディアに格好の素材を提供するかのごとき振る舞いは「脇が甘い」と指摘されても仕方ないように思う。今回のことに限らず,現場のことでの“フライング”は慎むべきであろう,と考える。


 さて,日刊スポーツをはじめ,各スポーツ・メディアが報じたアルパイ選手に対するクラブの処分ですけれど「現実的な落とし所」として穏当かな,とワタシは感じています。


 問題なのはプレーそのものではなく(少なくとも,ワタシはそのように思っています。),イエローを受けた後の振る舞い,そしてレッドカードを受けることでクラブに不要な負担をかけたことにあったのだから,それが果たしてメディアで一人歩きした話にまで行き着くものか,という漠たる疑問が残っていたのですが,現場責任者の今回の問題に対する判断は,しっかりとしたものだったようにワタシは思います。
 “レギュラー権剥奪”という言葉に引っ掛かるところも確かにあるのですが,それ以上に高い実力を持つ選手が,レギュラー・ポジション奪回に向けてテストマッチや練習に臨むことによって周囲に与える影響にワタシは期待したいですね。


 期待したい,と言えば,同じく日刊スポーツの記事でも触れられている“国産最終ライン”のコンビネーションにも期待したいですね。「パッケージ」としてどれだけ機能するかを考えれば,決してフル・メンバーに引けを取ることはないはず,とワタシは考えています。
 負傷者も多く,思うように結果が出せていない状況だからこそ,ゲームに飢えている選手にとってはまたとないチャンスだろうと思う。そのチャンスを生かしてゲームで存在を強烈にアピールすることが,結果としてチーム内競争を活発化させるのではないか。「チーム」が視野に収めるべき目標をすべての選手が共有している限り,競争は機能するはず。もちろん,コーチング・スタッフが的確に心理的なマネージメントを行うことも重要だけれど,チーム全体としての戦闘力を高めていくためには「フェアで激しいチーム内競争」こそ必要不可欠な要素だ,とワタシは感じています。