欧州CL決勝トーナメント1回戦(最終版)。

考えてみれば,気になる一戦が残っていたのでした。


 イングランド勢にばかりかまけているから,こういうことになるのだ!とかご指摘を受けそうですが。


 ・・・「おっしゃる通りです」。


 揚げ句の果てにエントリをアップし忘れるとは。時期外れもいいところだ,って〜のよ。


 ・・・「しょうがないですよねェ」。


 あいさつ代わりにちょっと他人事のようなことを言ってみるErnestです。


 そうそう,本題に入る前に「欧州蹴球事情」をちょっとだけ。「レアル・マドリーの憂鬱」というエントリで,ルシェンブルゴの置かれた状況が「いつか来た道」だなぁ,と書いてみたら,本当にその道をたどっているようです。
 スポナビの記事を見ると,現在ユーヴェの指揮を執っているファビオ・カペッロの招聘,できなければリヴァプール現指揮官であるラファエル・ベニテスの招聘を狙っているとか。監督交代だけが採り得る道とは・・・。それ以前の問題の方がはるかに大きい気がするですが。


 マクラが長過ぎですね。本題行きます。


 私の反応が鈍かったおかげで,日本語で書かれた記事もアップされております。ですので,先ほどと同じようにスポナビの記事に登場していただくことにします。また,いつものようにサッカーネットのゲームスタッツも参考書にしてみます。


 ホーム・スタジアムであるスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァにFCポルトを迎えての第2戦だが,第2戦のファイナル・スコアだけを見れば3−1(1,2戦合計で4−2)であり,十分にインテルの快勝と表現して良いと思う。アドリアーノによる前半開始直後6分の先制点,また63分の追加点によって,インテルは第2戦を有利に進めている。そして,ジョルジュ・コスタによって2−1に追い付かれ,ゲームの流れがFCポルトに流れていくのを食い止めたのが,86分のアドリアーノハットトリックとなるゴールである。


 サッカーネットのライター氏によれば,インテルのゲーム運びはあまり褒められたものではない,というニュアンスがうかがえる。ジョルジュ・コスタにゴールを奪われてからの時間帯に,ゲームを決定づけることのできるチャンスがあったにもかかわらず,決めきれなかったことを指しているようだ。それを裏付けるように,マルコ・マテラッツィは「もっと早い段階でゲームを決めてしまえれば,というのが唯一の心残りではある。実際,チャンスもあったし。だけど,幸運なことに結果的には良い方向に転がってくれたね」というコメントをゲーム後にし,またコマンダトーレであるロベルト・マンチーニも「1−0とリードした後,多少の恐怖感があったのか,後ろに下がっていた。(中略)本当はもっと早く試合を決めなければならなかったが,今日は苦しんでしまった」(FC JAPANのニュース記事から)というゲーム分析をしている。


 ゲームキャスト,ゲーム・スタッツを冷静に見ればシュート数はゴールマウスを捉えたものを含めてもほぼ互角だし,ゲーム中のボール支配率を見ればFCポルトが61%とインテルを圧倒している。おそらく,このゲームを読み解く鍵はオフサイド数とコーナーキック獲得数ではないか。そこから見えてくることは,インテル・サイドはFCポルトに「中盤でボールをある程度持たせ,攻めさせていた」のではないか,ということ。“カテナチオ”に代表される典型的な守備重視型戦術ではないにせよ,これもある種の“イタリアン・ジョブ”であろう,と思う。


 対してディフェンディング・チャンピオンであるFCポルトについては,サッカーネットのライター氏の「ポルトはゲームの主導権を握ることに苦労し続けていたし,前任者であるモウリーニョが指揮を執っていたころと比較すれば,チームとしての鋭さ,明確なチームのスタイル(=昨季,欧州カップ戦を制した高い組織性,と解釈していいだろう。)を失っている」という分析に尽きるのではないか。


 結果,8強にインテルのほかにユーヴェ,ミランが名を連ねていることで欧州カップ戦ではイタリア勢の活躍が目立っている,と評価して良いようだ。


 さて,これで8強が出そろったことになります。


 イタリアンなひとたちにとっては期待の持てる欧州カップ戦になったのではないでしょうか。


 それでも,ワタシは「古豪復活」に夢をかけたいですね。その前に,どのような組み合わせになるのか,カップタイ・ドローが楽しみであります。