対川崎戦(05−02A)。

Ernestです。こんばんは。


 勝ち点2を奪い取った,と表現するべきか。それとも,勝ち点2を失ったと表現するべきなのか。
 判断に困るゲームだったように感じます。
 ともかく,ドローに持ち込めたことを最大限に評価したいゲーム,ということは確かでしょう。また,3点目の泥臭さは後につながると思うし,つながなければならないと思うところです。内舘選手を投入して以降の時間帯でピッチ上の選手が見せたメンタル・タフネス,緊張感を持ってゲームに入ることができれば,必要以上にゲームのコントロールを難しくすることはないだろう,とあくまで強気に考えています。


 では,ちょっと振り返ってみることにします。


 まず,時間帯によってこれほどまでに印象の違うゲームも珍しい,と感じました。


 我らが指揮官の記者会見でのコメント(J’sゴール)にもあるように,ゲームへの入り方を間違ってしまったかのような立ち上がりだったように思います。相手が描いてきただろうゲーム・プランを「真正面から受け止める」かのような,完全にリアクティブなゲームへの入り方であったように見えます。開幕節でもちょっと感じていたのですが,前線からの厳しいチェイシング,プレッシングが影を潜めているためにラインをコンパクトに維持できず,守備ブロックに負担がかかっているような感じがしました。このことは山田選手の試合後のコメント(J’sゴール)からもうかがえるところです。
 PKによって先制を許した後,酒井選手のミドルによって同点に追い付いた頃からは,ゲームの流れを一気に手元に引き戻したかのように見えました。前半終了直前の攻撃には,昨季の良いイメージが重なって見え,後半においてもその流れを維持することができれば,ゲームを主体的にコントロールすることができるだろう,と考えていたわけです。


 しかし,後半に入ってネネが負傷し,選手交代を準備している間に,守備バランスがかなり崩れている状態を突かれる形で失点を喫し,アウグスト選手のフリーキックによって2点のビハインドを負うことになります。
 アウグスト選手のフリーキックと前後しますが,戦術交代によってゲームの流れが変わってきたように思えます。まず,内舘選手の投入によって守備ブロックの安定性が高くなり,横山選手,岡野選手の同時投入によって「積極的に点を奪いに行く」という意思がピッチ上の選手全員に伝わった感じがしたのです。このゲームのコメンタリーを担当していた水沼さんが指摘していた「バイタル・エリアでの攻撃オプション」を実際に示してくれた2点目の場面,横山選手と岡野選手のコンビネーション・プレーは,局面打開の方法論を明確に提示してくれているように思うわけです。


 けが人が多く,ベスト・メンバーでチームを組むことが難しいならば,積極的にリザーブ・メンバーをスターターに使っても良いのではないか。それだけのポテンシャルを持っていることを明確に示してくれたのが今節のゲームだったと個人的には思っています。