橙色。

やはり,警戒すべきは個々の選手ではない。


 用兵術に長け,どんなパッケージでも組織戦術を徹底してパフォーマンスを最大限にまで引き出してくる,あの指揮官だな。しかも,相当な駒落ち状態に陥った第2戦を勝利で乗り切った。


 どちらかと言えば,オレンジ・アラートだろうな。


 前線,中盤がどの位置まで組織的に守備に絡むのか。どのような状況に置かれたときに,守備ブロックをブレイクしてマン・オリエンテッドな守備に移行するのか。あのチームにはすでに「スタイル」がある。
 件の指揮官には,最少得点差で逃げ切るだけの覚悟もある。今とは異なるチームを率いていたときも,相手を圧倒することよりも眼前のゲームを“どのような形であれ”モノにすることを目標に置いていたことが印象に残る。その時よりも,その実行水準は遙かに高い。


 となれば。


 決して,彼のゲームプランに乗ってはいけない。あれだけコレクティブなチームをどのようにして「崩す」のか。この命題が解ければ,手の内から滑り落ちていったものを再び手にするチャンスは高まるはず。ヤツの引き出しがどこまであるのか。門外漢の私ですら,興味は尽きない。


 チャンピオンシップでは(リップ・サーヴィスであるにせよ)追い詰められた,と言った。あの状況を再び見たい。ヤツのアイディアのすべてを引きずり出してみたい。


 雌雄を決する場は,恐らくはカップ戦か。


 ・・・そんなことを考え,ある意味矛盾した感情(醒めた目で見ているようで,感情移入しているようで。でも,頭の中にあるのは我がチームのこと。)を持ちながら西帰浦で行われているゲームを見ていました。