セインピスタと言うならば。

最終予選初戦まで3週間をきってきました。


 対戦国が「かの国」だけに,「情報戦」にもならないような情報が各メディアには多くあるけれど,そんなことを言っていられるほど予選は甘いものではなかったですよね。


 本戦よりも厳しい,とされる予選にあっては,何が起こるか分からない。


 だからこそ,ピッチ上のことだけに集中して見ていこう,と心しているErnestです。


 さて,コマンダトーレは“セインピスタ”にこだわった競技場選定をするように,日本サッカー協会(JFA)サイドに要望しているようです。そこで,中野田が使われるようになっているらしいのです。実際問題として,首都圏エリアで6万人以上の観客が収容可能,かつ記者席も十分に確保可能なフットボール専用スタジアムは中野田以外にはない。それは十分に理解できるのです。


 でも,中野田をベニューとした場合,由々しき問題があるのも確かです。


 東京エリア在住のひとであっても,帰りの足を気にしながらゲームを見なければならない,というのが困るわけです。ゲームがはじまる2時間くらい前から実際のゲーム,そしてゲームの余韻を楽しむ時間までを含めて“マッチデイ”と言うのだとすれば,「埼玉県民」とは言え限りなく群馬県民のようなトコロに住んでいる私にしてみても,中野田での最近の代表戦は不幸なことに,地元開催でありながらマッチデイとしては不完全なものになっているのかも,と感じるのです。


 とは言え,スケジュール面を考えれば,平日開催は不可避です。


 ならば,競技場へのアクセス方法がJR線だけでも複数想定可能,また地下鉄でのアクセスも可能である国立霞ヶ丘は観客(最近の状況だと,ちょっと“サポータ”と言うには抵抗を感じなくもありません。)の皆さんの最大公約数的な選択としても,また日本サッカーの歴史に対する敬意を表する意味でも理想的な開催地,ということになりそうです。


 しかし。首都圏開催という枠を外して,「地方開催」でも良いのではないか,と思うのです。


 七北田公園や御崎公園,九州で言えば博多の森鳥栖だって充分に“セインピスタ”の条件を充足しているのです。サポータのチャント,観衆全体の歓声やどよめきが陸上トラックを介することなく直接ピッチに届くことで,代表チームには力を与え,相手チームにはプレッシャーをかける。そういう理由付けならば,キャパシティ面での問題は残るけれども,特に「魔物が棲んでいる」とまで形容される七北田公園は,代表戦には最適だろうと思うのです。フットボール・ジャーナリストである湯浅健二氏の言葉を借りれば,「肉を斬らせて骨を断つ,本当の意味での真剣勝負の舞台」がワールドカップ地域予選。視点を変えれば,比較的小さいことが逆に「一体感」を生み出し,「真剣勝負」をモノにしようとする代表を後押しする力になるのでは?と感じています。


 それこそ天皇杯の地方開催よりも,プロモーションとしては効果があるのではないか,と思うのですが。