東京V対磐田戦(第84回天皇杯・決勝戦)。

私の住んでいるあたりでは,結構穏やかな新しい年の幕開けでした。


 この穏やかさが願わくば1年続いてくれぃ。と,殊勝にも思ったりします。


 Ernestです。こんばんは。


 さて,元日と言えば全日本実業団対抗駅伝であります。いやぁ,コニカミノルタの逆転劇,面白かったですねェ。・・・と,そうではなく。天皇杯決勝であります。


 私が感じたのは,「ヴェルディの今季は結構恐ろしいかも」ということでした。


 ジュビロヴェルディともに,ショートレンジ〜ミドルレンジのパスワークを使って相手を崩していくフットボールを展開するクラブ同士の対戦であり,やはり中盤でのせめぎ合いは見応えあるものでした。


 しかし,私が恐ろしさを感じたのはその部分ではないのです。


 失礼を承知で言えば,“ヴェルディ”というチームにあって「特定のタレントが目立たない」ことだったのです。


 Jリーグ草創期,黄金時代とも形容すべき時期のヴェルディのような,「強烈な個性の集合体」としての戦闘集団ではなくなっているけれども,だからこそ組織的に,積極的に崩していくんだ,というチームとしての意思が明確に打ち出されているような感じがしたからです。また,退場者を出した後であっても決して戦術的な約束事が破綻することなく,しっかりと西紀寛福西崇史などの「要注意人物」への守備応対を繰り返し,隙あらばカウンター・アタックを仕掛けようという姿勢を見せ続けたことが,印象に強く残ったわけです。


 ただ,10人で守備に集中し続けることは本当に難しい,と失点場面では実感させられましたね。ゴールを決めたのは,やはり「要注意人物」だったわけだし,それ以上に危険な「藤田俊哉」の投入後だ,というのは,ジュビロの怖さはいまだ健在ということを示していると思えます。


 個人的には,退場処分直後からのチーム戦術の自律的なシフトに,アルディレス監督のチーム・マネージメントや戦術観が個々の選手に浸透しているのだ,と感じ,だからこそ今季のリーグ戦においては「ダークホース」になるのでは?と思ったのです。


 加えて言えば。


 サポのリズムに往年の聞き慣れた,でも私にとっては小憎らしくもある「あのリズム感」が戻ってきていたことも印象に残っています。パスのリズムも含めて「小憎らしい」ヴェルディが還ってきた。しかも,国立霞ヶ丘に。あのチームに全力で叩き潰すに足るだけの歯ごたえが戻ってきたこと,喜ばしく思っています。