トップリーグの課題。

いろいろ想定外の出来事が起きてくれた今年ですが,最後が雪で締めくくり。


 誰が演出しているのか,いささか徹底し過ぎだよなぁ,と思ってたりしまして。


 Ernestです。こんにちは。


 さて,ラグビートップリーグも最終節を待たずして東芝府中ブレイブルーパスが優勝を決めました。


 で,試合結果をオフィシャルサイトでチェックしていて気が付いたことがあるわけです。なぜに,府中に本拠を置きながら「味の素スタジアム」での開催ゲームが1試合にとどまり,圧倒的に秩父宮ラグビー場での開催が多いのか,ということです。気になって調べてみたのですが,神戸を本拠地とするスティーラーズ(ホントは“神戸製鋼コベルコスティーラーズ”って書かないといけないんでしょうけど,大八木氏発案の愛称だけの方が気に入っているのです。)も,なぜか近鉄花園ラグビー場での開催試合が多いのです。


 思うに,ラグビー復活のカギはこの“一極集中”(正確に言えば二極でありますが)を打開するか,にかかっているのではないかと。


 各都道府県には,(程度の差こそあれ,ってのが結構クセモノではあるけれども)ほぼ1万人クラスの陸上競技場があるはずです。国体のおかげであります。


 ならば,各クラブの本拠(がある都道府県県庁所在地)の競技場をホームスタジアムにすることだって十分に可能なはずなのです。まして,府中,神戸となれば,おあつらえ向きの競技場があります。飛田給御崎公園であります。そこで,サッカーとはひと味違った地鳴りのような歓声が上がる,なんていいと思いませんか?(いきなり話が飛躍)。


 となると,すぐに「市民クラブ化しないと,地域や自治体からの協力は得られないのでは?」となりますが,私は必ずしもそうは思っていません。むしろ,問題の中核は企業チームが地域(行政サイドや周辺地域の学校)に対して,また逆に地元サイドが企業クラブに対してあたかも「閉じている」かのような印象を与えてしまっていることにあるような気がするのです。


 たまたま,本拠地がそこにある。ならば,その縁を大事に・・・,と思うところですが,なかなか現実にはうまくいかないのだろう,とは思います。でも,何かできるはずです。


 例えば,普及活動として周辺地域の中学校や高校に巡回コーチを派遣してクリニックを実施するのも,地域密着を実現するための有効な方法ではないでしょうか。あるいは,地元自治体が積極的に企業チームに働きかけることで地元の競技場で定期的にラグビー教室を小学生レベルから実施する,というのも一策でしょう。三洋電機ワイルドナイツは活動拠点である群馬県大泉町,隣接する太田市の小学校でラグビー教室を開催するなど,若年層に対する普及活動を積極的に展開しています。詳細はこちらを参照いただきたいのですが,このような動きが他のクラブにも拡大すれば本格的なラグビーフットボールへの入り口にも好適な「タグラグビー」の知名度も少しは上がると思うのです。また,ヤマハ発動機ジュビロは定期的なラグビー教室を開催することで若年層への普及活動を展開しています。その活動の様子はヤマハラグビー部オフィシャル・サイトから確認することもでき,普及活動が既に根付きつつあることを感じさせてくれます。


 普及活動が根付けばどうなるか・・・。


 子供たちは両親に「この間教えてくれた○○さんが出るんだよ!見に行こうよ!」ってことになるかも知れない。となれば,それをきっかけとしてトップレベルのラグビーフットボールに触れる母集団が増えていくことになるのではないかと思うのです。


 現在はワイルドナイツジュビロが展開している普及活動を,ラグビー界全体でだってできるはずではないか,と思うのです。私が最も「もったいない」と思うのは,トップレベルの経験がダイレクトな形で子供たちの指導に反映されないことです。そのためにも,現在普及活動を展開しているワイルドナイツジュビロには是非とも継続して活動を継続して欲しい,と心から願っています。その成功が各クラブにポジティブな影響を与えると思うから。そして,普及活動が多くのクラブで行われることで,トップレベルの経験がダイレクトに子どもたちに反映されない不幸な現状が打破できるのならば。


 もっと,ラグビーフットボールが身近になっていくのではないでしょうか。私は,そんな理想を(どれだけ「青い」と言われようとも)願ってやみません。