一観客の海外アウェイ体験。

本日「御用納め」ですが,寒さに関してはこれからが「繁忙期」みたいなものですな。


 ・・・などとベタな時候のあいさつから入っております。


 Ernestです。こんにちは。


 さて,JRFUのサイトを見てみると,「2011年」のラグビー・ワールドカップ招致に関する記事を目にすることができます。それで思い出したことがありまして,今日はそんなことを。


 1999年,ウェールズの首都カーディフ


 カーディフ・セントラル駅から歩いて10分弱くらい,昔は“アームズ・パーク”と言った恐ろしく大きな競技場,そのアッパー・スタンドに私はいました。時間は・・・。そう,午後4時くらいだったでしょうか。ノーサイドのホイッスルが鳴って,周りの観客の何とも形容できない歓声を聞きながら,いろいろな感情が渦巻いていくのを感じていました。そして,競技場を後にして,すごい混雑の中をカーディフ城方向に出て,宿に戻ろうとトボトボ歩いていたときのことです。


 よほど私の肩は下がっていたのでしょうか。とあるオヤジ殿がギネス缶を片手に私に向かって一言。


 "Good Game!"


 彼は,本当にそう思ったのかも知れません。私はそのオヤジ殿と二言三言言葉を交わし(ついでに軽くハグもかわし),最後には苦笑いを浮かべて。でも,次第に「悔しさ」だけがつのってきました。「ヤツらのあの余裕はなんなんだ!」と。今にして思うと,「勝者の余裕」なのでしょう。ゲームの最中,大畑選手が一瞬だけ,観衆を黙らせた(と言うか,どよめかせた)瞬間があって,そういう状況が続いてウェールズ代表が明らかに焦りだしたのが分かれば,ましてジャパンが薄氷を踏むような勝利を飾ったなら,彼らは同じように「いい試合だったな!」などとは言わないだろうな,と。


 ただ,その場にいて観戦していた人間ですらこう思っていたのですから,選手たちの感情はどうだったのか,想像にあまりあるところです。


 彼らとの距離をどう縮めていくのか。とんでもなく大きく感じる,「紙一重の差」を本当の意味での「紙一重」にどうしていくのか。コーチング・スタッフやJRFUサイドは真剣に考えてくれると思っていたのですが,今年行われたテスト・マッチの結果を聞く限り,99年からの伸びシロは大きくなかったようです。トップリーグ効果もはっきり出ているとは言いがたいし(トップリーグに関しては,また機会を改めて書きたいと思ってます)。


 それだけに思うのです。


 「2011年には,私たちが「いい試合だったな!」と相手チームファンに言えるだけの魅力が,ジャパンには欲しい」と。たとえ泥臭くてもいい。勝利を貪欲に追求し,相手に食らい付いていく姿勢が,90分プラスアルファ,ピッチから常に放散されているような,そんな試合を見たいですね。