2013型原点回帰。

知らず知らず,違う原点を意識していたかも知れません。


 エル・ゴラッソ紙には,槙野選手のコメントが掲載されています。


 「もう1回、原点に戻ろうと。良いときはどのように攻撃して、どうやって守っていたのか」(エル・ゴラッソ第1360号より)。


 槙野選手が指摘する「原点」は,過去の浦和から導くことのできるものではないでしょう。守備的な安定性から戦い方を設計し,勝ち点を積み上げていくというアプローチを指して,原点と言っているわけではないだろう,と思うわけです。当然,攻撃的な姿勢を押し出すところから戦い方を設計し,勝ち点を積み上げていく(というよりも,より攻撃的に「奪う」と言うべきかも知れません。)というアプローチを指して,「原点」と言っているはずです。


 ですが,チームもどこかで2013型の原点ではなくて,過去の浦和が指向していた戦い方を必要以上に強く意識していた,かも知れません。私もあてはまるところですが,どこかで勝ち点を「奪いに行く(攻撃的に勝ちに行く)」という意識よりも「積み上げる(守備応対面を基準にして,守り勝つ)」という意識に傾いていたように思うのです。もともとの設計とは違う要素を求めてしまっていたように感じるのです。


 違う要素を求め,その要素を何とか充足しようとするがために,もともとの強みが抑え込まれてしまって,結果として狙うフットボールが曖昧になっていってしまう。戻るべき場所,などという表現を使ったり,あるいは読んだりしますが,この戻るべき場所は2013型(ということは,2012シーズンから指向しはじめた戦い方,ということになりますが。)の戦い方,ということでしょう。


 攻撃的な姿勢と守備応対面での安定性と。


 この2つの要素をしっかりとバランスさせた戦い方ができれば,確かに理想的です。ですが,なかなかに難しいのも確かでしょう。ならば,2013型の浦和が狙う戦い方は何なのか,を突き詰めていくというのは大事な要素,だと思います。難しい試合になるだろう,と思いますが,浦和の戦い方を貫くには絶好の試合,とも言えるように思います。