達也選手と濱田選手の新潟移籍について。

浦和を基準にすれば,心中複雑ではありますが。


 今回はフットボーラーを基準にして,濱田選手についてのリリース達也選手についてのリリースをもとに書いていこう,と思います。


 まず,達也選手について。


 比較的早い段階で,契約非更新というリリースが出されてはいましたが,どのようなクラブから獲得オファーが来ているのか,という話がスポーツ・メディア方面に浮上してくることはなかったように思います。トライアウトへは参加しない,という話,そして,ディビジョン2を主戦場とするクラブが獲得に興味,などという話も出ていたように記憶していますので,恐らく水面下では今回移籍することとなった新潟を含めて,獲得交渉が動いていたのかな,と推察します。


 で,新潟でありますが。


 達也選手の個性を引き出しやすい,と言いますか,戦術的な枠組みに達也選手の個性を組み込みやすいかな,という印象を持っています。2トップである,ということですね。ドリブラーとしての印象も当然に強いフットボーラーですが,それ以上にフィニッシャーとしての意識を強く持ったフットボーラーであるように,個人的には感じています。かつて2トップを組んでいたエメルソン選手からの影響でしょうが,ゴールへの意識,シュートをファースト・チョイスとして常に意識している,そんなフットボーラーであるように見ているわけです。よりボックスに近いエリアで,シンプルに決定的な仕事ができるならば,達也選手の個性はまだまだ生かせるだろう,と見ています。その意味で言うならば,1トップよりも,距離感という部分で慣れているだろう2トップは決して小さくない要素かな,と思うのです。


 続いて,濱田選手であります。


 浦和,というクラブの歴史からすると意外な印象になりますが,4のイメージを持ったフットボーラーであるように感じます。それだけに,昨季の3には違和感を持っていたのかも知れないし,求められる部分と,持っている部分との折り合いの付け方に難しさを感じていたかも知れません。けれど,濱田選手の持っている能力,あるいは潜在能力が3と相性がよくない,とは思いません。むしろ,メンタルな部分が大きいかな,と。チャンスをモノにしてやる,という意識が強くなり過ぎたのか,実戦の舞台で意外なミス,でもその意外なミスがクリティカルなミスになってしまう形が出てしまったように思います。U−23では4の守備応対が求められ,浦和では3,といっても単純な3ではなくて3と4をシームレスに移行させるような守備応対と攻撃参加が求められる。焦りであったり気負いが,戦術理解の切り替えに悪影響を与えてしまったのかな,と思うのです。


 サテライト・リーグが動いていない現状において,高い負荷が掛かる実戦機会はなかなかつくれません。実戦機会をなかなかつかめないフットボーラーは,かつて愛媛FCを率いていた監督さんがインタビューに答えていたように,フットボーラーとしての能力を「錆び付かせて」しまう可能性が高いように思うのです。それならば,実戦を通じて能力を引き上げられる,その可能性を求めるべきだと思いますし,その舞台は可能な限り高くあるべきだ,とも思います。今回の移籍はあくまでもローン。この意味が,実質的なリターン・チケットなのか,それともワンウェイなのかは,濱田選手の戦いぶりにかかっているものと思います。新潟のコーチング・スタッフが完全移籍獲得をリクエストする,逆に浦和がどうしても戻したいと思わせる,そんなパフォーマンスを見せてくれることを期待したいと思います。