組み合わせ(第92回全国高校選手権)。

東がどこまで,西に対抗できるのか。


 だけでなく,東福岡が4連覇できるかどうか,という見方もあるかな,と思います。そして当然,どのチームが東福岡を止める存在となる(なれる)のか,も。しかしながら,選手権の魅力はひとつひとつのゲームにある,と思っています。ラグビーフットボールという競技が持っている魅力,その魅力を端的に示してくれるようなゲームが選手権には必ずあった,という印象があります。今季にあっても,そんなゲームをひとつでも多く見てみたい,と思うわけです。


 マクラの段階で終わりそうでありますが,今回は楕円球なフットボールの話を,こちらのページ(高体連ラグビー専門部)をもとに書いていこう,と思います。


 さて。まずは,どうしても意識してしまう,自分が住んでいるエリアの代表校であります。


 今季はBシード校でありまして,初戦は2回戦,倉敷工業高校(岡山県代表)と日川高校山梨県代表)の勝者との対戦であります。今季の埼玉県予選を振り返ってみるに,深谷は相手の持っている強みをしっかりと抑え込みながら,自分たちの強みを引き出せるような戦い方をしてきているように思います。近鉄花園では,なかなか緻密なスカウティングを基盤に,というわけにはいかないかも知れませんが,相手の強みを抑え込むと同時に自分たちの形に引き込む,その形をしっかりと表現してほしい,と思います。


 そしてもうひとつ。群馬県代表がどのような戦いを見せてくれるのか,にも期待したいと思います。今季,はじめて代表権を獲得した太田高校であります。群馬県代表,というと,オールドファンに分類される私などは,東京農大第2高校が頭に浮かびますし,実際に彼らが代表校としてクレジットされる時期も相当に長かったように思います。その図式が変わってくるかも知れない,というのが数季前で,出場権を獲得していたのが明和県央高校,であります。勝負権を持っているのが,ごく限られたチームだった時代から,複数のチームが持っている段階へと移行してきた。そして今季は,太田が初めての切符をつかんでみせた。彼らの初戦は12月28日,光泉高校(滋賀県代表)との1回戦であります。この初戦を突破すると,倉吉総合産業高校(鳥取県代表)と西陵高校(愛知県代表)の勝者との2回戦が待っています。近鉄花園で,ぜひとも太田のラグビーを存分に表現してほしい,と思っています。


 では,選手権を俯瞰する形で見ていきます。今季のシード校は,

秋田工業高校(Aシード・秋田県代表)
茗溪学園高校(Bシード・茨城県代表)
深谷高校(Bシード・埼玉県代表)
流通経済大学付属柏高校(Bシード・千葉県代表)
國學院久我山高校(Bシード・東京都第1代表)
桐蔭学園高校(Bシード・神奈川県代表)
伏見工業高校(Bシード・京都府代表)
常翔学園高校(Aシード・大阪府第1代表)
大阪朝鮮高級学校(Bシード・大阪府第2代表)
報徳学園高校(Bシード・兵庫県代表)
御所実業高校(Bシード・奈良県代表)
石見智翠館高校(Bシード・島根県代表)
東福岡高校(Aシード・福岡県代表)


となっております。で,トーナメント・ドローを見てみると,かなり早い段階で有力なシード勢が対戦する,そんなドローとなっているのが今季の特徴かな,と思います。まず,深谷伏見工が同じブロックに入っていますし,御所実業桐蔭学園も同じブロックに入っています。勝負権を持っている,と言いますか,勝負権を持っていることを期待したいチームが,3回戦段階で近鉄花園を去るかも知れない(どちらか一方,という意味においては必ず去るわけですが。)ということを考えると,今季の選手権はなかなか厳しいな,と思います。


 思いますが,早い段階で魅力的な試合を見ることができる,とも言えるでしょう。


 3回戦の段階で,決勝戦かと思えるような試合が展開されるようであれば,冒頭にも書いたように,ラグビーフットボールの魅力がより多くのひとに伝わっていくのかな,と思いますし,であればこそ,メディアを含めた露出度が高くあってほしい,と思うところです。