Ready, Set.

鋭くスタート・ダッシュを決められれば,それはそれで理想的だけど。


 リーグ戦は,短期で勝負を決めるものではない,というのも確かです。


 現任指揮官は,相手の強みを徹底的に消し去る中から主導権を,というフットボールを組み立ててくるようには感じられません。どこか,イビツァさんとの共通項を感じさせる,(ポジティブな意味で,ですが)「異端」なフットボール,独自性を持ったフットボールを表現させようとします。機動性も重要な要素になるし,でもただ単に運動量が多いだけでは意味がなくて,インテリジェンスという基盤を持った機動性,運動量でないとこの指揮官が狙うフットボールは,なかなかピッチに描き出せそうにない。それだけに,(浦研さんなどの)メディアが書いてくれているように,トレーニング・キャンプでの負荷はなかなかに高かった,ということのようです。チーム・ビルディング,という意味で言うならば,楽しみな初期段階,という感じでしょうか。


 であるならば,「実戦」とトレーニングを繋ぎ合わせ,チーム・ビルディングが「強さ」につながる,そんな循環にどの段階で乗っていけるのかな,という視点で見ていきたいな,と思うのです。もちろん,「勝ち点3」という足掛かりが,自分たちのフットボールに対する信頼感であったり,確信を深めていくための最も大きな要素だと思っています。そして,初戦から「勝ち点3」をつかむことで,その循環に素早く乗っていけるならば,理想的な展開だ,とも。


 同時に,「勝ち点3」から戦い方を逆算するべき時期でもないはずですし,どれだけ,しっかりとした準備を積み重ねてきたのか,ピッチから感じ取れるような立ち上がりであってほしい,と感じます。自分たちが描き出すべきフットボール,そのフットボールに対する理解の深さがピッチから感じ取れるような,そんな立ち上がりだといい,と思います。


 いい準備,自分たちのフットボールに対してある程度の確信を持った状態で,スターティング・ブロックへと足を掛けられているかな,と思います。スターターの合図は間もなくかかります。気負うことなく,恐れることなく合図に反応できる,そんな状態であってほしい,と思います。