微調整。

ウィングを強く意識しているパッケージ,であるのは変わらないけれど。


 ごく大ざっぱに書けば,下部組織的なパッケージに変更してきたな,と。CBの前にセントラル・ミッドフィールド(と言いますか,守備面に意識を傾けて表現するならばシングル・アンカー)を構えさせて,チームとしての守備ブロックをトライアングルで構成する。中盤だけで見れば,相手ゴールに向かって正三角形だったのがもともと狙っていたパッケージだとして,第7節(実質的な第2節)で実際に採用したパッケージは相手ゴールに向かって逆三角形を描く形に変更する。攻撃ユニットの距離感について,微調整をかけてきた,というところかな,と思います。


 今回は,ちょっとだけ印象に残った部分だけ書いておこう,と思います。ゲームそのものについては,いつも通り(か,ちょっとそれよりも遅めかも知れませんが)に書いてみようと思っています。


 さて。いわゆる数字で書けば4−3−3,その3−3をどのように構成していくか,について微調整を,というのが今節だったようです。イニシャルでの微調整,ではあるのですが,動的なパッケージ,その距離感にも直結していく要素でもあり,この微調整はかなりの意味を持ったように感じます。


 そしてもうひとつ。


 ポジション・フットボール,という要素が強かった今季のフットボールですが,その要素がちょっとだけ調整を受けたようにも感じます。たとえば,SBとウィングとの関係性です。11スペック,そのオリジナルとしては,ウィングが存分に仕掛けていくためのスペースを,という意識から,SBの動き方を戦術的にデザインする方向性だったか,と思うのですが,今節でのSBは必ずしも,守備面だけにウェイトを傾けているだけではなかったし,ウィンガーを追い越していくような局面も作り出せていた。加えて,攻撃ユニットがイニシャル・ポジションを崩すことなく攻撃を組み立てるのではなくて,イニシャル・ポジションを外れたとしてもパッケージ的なポジションはそれほど大きく外れていない,というように,ある程度の流動性を確保できている局面が作れていた。


 開幕節を受けて,コーチング・スタッフが調整をかけたのか,それとも実際にピッチに立つフットボーラーが,それぞれの判断でオリジナルの戦術にアクセントを付けてきたか。いずれにしても,戦術を実戦的に熟成させてきたな,と感じましたし,その方向性は「勝ち点3」という足掛かりによって裏打ちされた。まだまだこれから,ではありますが,チームが持っているべき循環が機能しはじめたな,と感じます。