次期型M5、アンベール。

基準車でも結構迫力あるお顔立ち,なのですが。


 Mになると,フロント・セクションの迫力が増しております。個人的には,Mに追加されたディテールが加わってはじめて,5のデザインが完結するような感覚もあったりします。ただ,同じくエアダムが特徴的なアルピナとは違って,センター部分は“エアフロー”を意識したような造形になっています。恐らくはフロアも空気の流れを意識した処理が施されているのでしょうし,その流れを抜くためのディヒューザーが,リア・セクションに確認できます。にしても,です。ファミレスだとかコンビニ,あるいはスーパーに駐車されるときは,エアダム下部を縁石に引っ掛けないようにご注意を,と申し上げたいようなライドハイトであります。


 さて。フットボールを中心にしている「はずの」ブログではありますが,ここしばらくメカニカルなブログになっております。今回もフットボールを離れまして,webCGさんのニュース記事をもとに,コンセプトM5の話を書いてみよう,と思います。



 さて。「バイエルン発動機」さんの追加モデルでありますし。


 やはり,エンジンの話を外すわけにはいかないな,と思います。このコンセプトM5,エンジニアリング的には“NAからターボ”というのが最も大きな変化ではないかな,と思います。クリストファー・バングルさんがデザイン・ディレクションを担当していた,先代のM5はV10・NAを搭載していました。個人的に興味をひかれるエンジンだったのは確かです。ユーズドでも結構なタマ数があって,それだけに2ペダルMTを経験してみるのもよいな,などとふと思ってしまうわけですが,反面でBMWにはインライン6,シルキーなんて表現される直6のフィールを期待してしまうわけですね。そのために,「整っています。」感を強く感じさせてきたメイクスとしては,らしくないレイアウトを採用したな,と思ったのも確かです。V型は回していけば確かに整っていくのですが,低回転域でどうしても「整っていません。」的な感触を与えます。そんな部分を含めて,ちょっとだけ不思議な感覚を持ったわけです。
 今回,BMWはV10をそのまま搭載するのではなくて,“ダウンサイジング”をしてきます。V8レイアウトを採用することでエンジンの前後長を短縮,パワー面ではターボ・チャージを掛ける,と。この記事をまとめている曽宮さんによれば,ターボラグがない(恐らくは,気にならない程度にまで潰されている)とのことですから,推理をしますにターボ・チャージャーはツイン・スクロールタイプでありましょう。そのツイン・スクロールに電子制御のバルブを追加するか,それともシンプルなツイン・スクロール(排気側タービンを回すための流路を2つに分割している)か。排気量や最大出力,トルクなどを含めてBMWからの正式なリリースを待つべき部分ではありますが,NAにこだわってMを開発してきたBMWでありますから,当然レスポンスに優れた調律を施すつもりだろう,と期待しています。


 そして,当然足回りであります。


 エンジンの絶対的な大きさが抑えられたことが,運動性能面にポジティブな影響を与えてくれていることを,まずは期待であります。Eセグメント,と言いますか,ちょっと前までで考えれば限りなくLセグメントに近いディメンションを持っていますから,「分かりやすい」スポーツ性ではなくて,上質なGTとしての側面をしっかりと持ち合わせたスポーツ性かな,と思うので,「普段使い」にもしっかり対応できる(とは言え,クルマ好きでないとちょっと硬さを感じさせるかも知れませんが。)サスペンション・チューンかな,などと想像しています。


 さてさて。コンセプトとは言いながら,実際にはお値段が発表されていない程度の,実質的な車種追加,でありましょう。どれほどのお値段が提示されるのか,もちろん新車でこういうクルマを買えるほどの余裕を持ち合わせてはおりませんので,「卒倒」どころではないだろうな,と思いますが,それでもなかなか魅力的な追加モデルだな,とすでに思っております。