「旗頭」であれ。

プロフェッショナルとしてのキャリアを踏み出したクラブで,ブーツを脱ぐ。


 そんなフットボーラーが,いわゆる“バンディエラ”であります。でありますが,個人的にはもうちょっと定義を広げてもいいのかな,と思っているところがあります。たとえば阿部選手,そして都築さん(どうもさん付けは違和感がありますね。選手,と書いてしまいたくなります。)の姿はどこから見ても,旗頭という言葉に相応しいものだった,と思っているのです。プロフェッショナルとしてのキャリアを踏み出したクラブが浦和であろうと,違うクラブでキャリアを歩み出したフットボーラーであろうと,実際にはそれほどの大きな違いはなくて,ピッチからバンディエラ,あるいは旗頭という言葉が導けることもあるのではないかな,と彼らを見てきて,思ったわけです。


 とは言え,あくまでも個人的に思うこと,ではあったわけです。


 そんな個人的に思うこと,決して個人的なものにとどまってはいないのかな,と思ったりもします。浦研プラスさんでは,島崎さんと福田さんの対談記事が掲載されています。その中で,島崎さんが語っている内容はちょっとだけ,個人的に思ってきたことに重なるのかな,と(いささか自分に好意的な解釈かな,と思いますが)思うのです。「熱さ」という表現が適切なのか分かりませんが,ただ縦に鋭くでもなく,技術的に華麗に,でもなく。ピッチから「何か」,島崎さんの言葉を借りれば,熱意であり情熱を感じ取れること。それはフットボーラーのキャリアによって異なるものではなくて,「浦和」のキットに袖を通しているならば,誰もが表現してほしいことでもあるな,と。


 福田さんも言及した,“THE PRIDE OF URAWA”という意味。


 プロフェッショナルであれば,当然に結果も重要な要素ではあります。ありますが,それだけでこの意味を満たせるのか,というと,不足する要素があるかな,と思うのです。その不足する要素が,フットボーラーをしてバンディエラと評価せしめる要素,なのかな,とあらためて感じます。そんな要素を2011なロースターから感じ取りたい,と思っています。