2011的キット。

ナイキが解釈する,プーマのユニ。


 ふと,そんな言葉が浮かんだのは確かです。けれど,背番号のフォントはどう見ても,プーマ時代を思い起こさせるものではなくて,ナイキさんらしいですけどね。


 さて。浦和も新入団選手の記者会見,中野田でのフォト・セッションに合わせて,2011シーズンのホーム・キット,そしてアウェイ・キットを発表しています(J's GOAL)。そこで,2011仕様なエキップメントについて書いていこう,と思います。


 まずは,アウェイ・キットでありますが。


 基本的には,2010シーズンに採用されたアウェイ・キットと同じであるように感じられますが,よく見ると袖部分のアクセント・カラーがレッドからブラックへと変更されているようですし,背面のアクセント・カラーが省略されてもいるようです。そのために,昨季よりもシンプルな印象を受けますが,アクセント・カラーであるブラックの存在感が今季のキットでは強くなっているようにも感じるところです。昨季もアウェイ・キットには好印象を持っていましたが,今季のキットはなかなか効果的なマイナー・チェンジを施してきたな,という感じであります。


 同じことは,ホーム・キットにも感じるところです。


 マクラで,ナイキさんが解釈するプーマ時代のユニ,という表現を使いましたが,実際,黒い襟を採用するのはプーマ時代の2002シーズン以来のことになるようです。ディテールを詳細に見ることができないので,あくまでも見た目の印象,ではありますが,レースアップ・スタイルの襟を採用していた2001〜02シーズンのカラーリングに近いのではないかな,と感じます。そして,ホーム・キットの袖部分を見ると,こちらのアクセント・カラーもブラックに設定されています。昨季はホワイトをアクセント・カラーとしてホーム・キットのデザインを組み立てていましたが,今季はブラックをアクセントに全体的なデザインを組み立て,アウェイ・キットとの共通性を感じさせるようなデザインにしてきた,ということかな,と感じます。


 さて。ちょっと思うところを書けば。


 昨季に引き続いて,浦和の歴史をハイテクなユニに巧みに落とし込んでくれた,という印象を強く持ちます。サプライヤーがプーマから変わった2004シーズンを含めて,ナイキさんは「軽量」であることにこだわっていたように思います。浦和がポロ・カラーを採用してきたという歴史には配慮しつつも(そのために,チャイニーズ的な襟だったり,スタンドアップ・カラーを付けてきたのでしょう。),あくまでもユニフォームの性能面を落とすようなディテールには否定的だった。
 さらに言えば,同じくナイキをサプライヤーとするクラブのユニフォームを見ると,ラウンドネックがホーム・キットとして発表されてもいる。これは今季,ラウンドネックへ回帰してしまうのかも,と一瞬思いもしたわけです。しかし。実際にはラウンドネックではなくて,ポロ・カラーを個性としていた時期のホーム・キットを思い起こさせるような,そんなマイナー・チェンジを施してきた。


 2009から2010,というほどに変化を感じるものではないけれど,浦和がどのようなホーム・キットを使ってきたか,という「流れ」を思えば,2010から2011という変化は,小さなようでいて,すごくいい方向に変化したのではないか,と個人的には思うところです。