鳥栖でPSM。

始動時期がちょっと早いのか,それとも。


 いずれにしても,チーム・ビルディングの初期段階でPSMが組まれる,という印象ですね。


 ラグビー方面にウェイトがかなり傾いております(高校ラグビーについても,あとで書いていこうと思っております)が,今回は浦和からのリリースをもとに書いていこう,と思っております。


 さて。リリースを読みますと,2月13日(日曜日)に鳥栖とのPSMが彼らの本拠地,ベストアメニティ・スタジアムで開催される,ということであります。
 ちょっとだけ,競技場そのものについて書くと,いわゆるシューボックス・スタイルの競技場でありますな。イングランドの競技場,それもアシュバートン・グローブではなくて,かつてガンナーズが本拠地としたハイブリーやハンマーズの本拠地であるアップトン・パーク的な設計スタイルであります。イングランドと比較して足りないかな,と思うのは,レンガで構築された外壁,それと大きな防風板という程度。逆にちょっと多めかな,と思うのはスタンドからピッチまでの高さでありましょうか。ただ,そうは言っても全体的にはかなりイングランドな雰囲気を漂わせるものです。また,建設コストを圧縮するためでしょう,敢えてフレームを剥き出しにしたフィニッシュが独特の雰囲気を作り出していて,これもまた魅力的な競技場として見せる大きな要素だな,と思うところです。


 では,フットボールそのものに話を戻しますと。


 PSMがフィックスされた時期が,ちょっとばかり早いかな,という感じはします。


 それだけに,ジェリコさんが始動時期をどのようにセットしているのか,にはじまり,どのようにチーム・ビルディングの最初期段階を組み立ててくるのか,興味深くなってきています。当然,フィジカルを追い込むようなトレーニング・メニューも組んでくるはずですが,最大の興味は戦術面の浸透をどのようにしていくだろうか,ということです。当然,ジェリコさんが理想とするフットボールを描くはずではありますが,同時に「いままでの浦和」が表現してきたフットボール,というひとつの現実もあるわけです。そのフットボールと,指揮官の理想とをどのポイントで折り合わせるか,まずは「観察」というワンステップがあるだろう,と思うわけですね。であれば,PSMがフィックスされたタイミングは,ジェリコさんが狙うフットボールを100%表現するにはまだまだ,なタイミングでありましょうし,フィジカルの追い込みがどの程度かにもよるでしょうが,負荷が厳しい状態でのゲーム,とも考えられます。


 ある部分では継続する要素もあり,新たに整備すべき要素もあり。


 であれば,これまでの浦和が表現してきたフットボール,そのエッセンスを「選択」,「整理」することからペトロビッチ的なフットボールと整理された要素とを「融合」させていくタイミングが,PSMが組まれたあたりの時期かな,と思うわけです。当然,「結果」から判断するような時期ではありません。どのようなロードマップを描いていて,チーム・ビルディングがどの段階にあるのか,ピッチから明確に受け取れるようなゲームになるかどうか,が最も重要な要素であろう,と思っています。