有効射程内へ。

エル・ゴラッソ紙の1面には,図表が掲載されています。


 通常ならば数値で構成される順位表,その順位表を視覚的なものとした図表です。
 確かに,首位を走っているクラブとの距離感はかなりのもの,です。2位との勝ち点差で9を確保しているわけですから。ではあるのですが,エルゴラの川端さんがコラムで触れているように,ACLという目標を念頭にこの距離感を見直してみると,決して射程外ではないことも見えてきます。


 浦和が積み上げてきた勝ち点は,25節終了時点で38であります。勝ち点ベースで考えるならば,広島と同数,であります。ACL出場権は,スタンディング3位のクラブまでが獲得できるわけですから,まずは3位に付けているクラブとの勝ち点差を見れば,6となっています。「勝ち点3」を2試合分,でありますし,2位との勝ち点差は7となります。
 ここで,リーグ・スタンディングと浦和の試合日程(オフィシャル)を突き合わせてみてみます。25節終了段階でスタンディング上位であるクラブとの対戦が,結構残されているわけです。物理的に,奪取できる勝ち点は3が上限ではあるわけですが,いわゆる「勝ち点6」に相当する試合,スタンディングを引き上げていくために重要な意味を持つ試合が残っている,と。


 リーグ戦は,自力の要素と他力の要素が絡み合っている,などと表現されます。


 ではありますが,自分たちがしっかりと「勝ち点3」を積み上げていかなければ,他力の要素を積極的に呼び込むことはできないのも,確かなことだろう,と感じます。
 ゲーム内容,という側面から考えるならば,まだ安定して浦和のフットボールを表現できているわけではない,という見方も成立するかも知れません。大宮戦後の柏木選手,彼のコメントにもあるように,バランスをまだまだ突き詰めていく余地はあります。ただ同時に,課題がありながらも「勝ち点」を奪取し続けることができている,とも評価できるわけです。「勝ち点」という手掛かりと言うか,足掛かりがチームにポジティブな循環をつくってくれているかな,と感じます。


 リーグ戦終盤に向けて,一時期は霞みかけていたかも知れない,ACL出場権奪取,という目標が有効射程に収まってきている。34節が終了した段階で,この目標を達成するために,まずはひとつひとつ,であります。