「空前絶後」で「総力戦」で。

古屋さんのコラムから引っ張り出してきたフレーズであります。


 端的に,浦和の置かれた状態を表現する言葉でしょう。ハイ・ビートな攻撃(ここ数節は,しっかりとビートをコントロールできるようになってきているので,それほど問題視することはなくなってきていると思いますが。)がフットボーラーに予想外の負荷を掛けているのか,それともトレーニング段階から相当な負荷を掛けているからか。いずれにせよ,フィジカル・コーチ不在というだけではなくて,さまざまな要素が絡んでいるようには思います。
 来季は,こういう心配をしなくて済む体制を,とハシラさんにはお願いしておきたいところでありますな。


 にしても,です。


 8人ものフットボーラー,しかもフィールド・プレイヤーが負傷によって離脱,サスペンションを含めれば9人のフットボーラーを欠いた状態となります。危機「的」などというレベルを超えて,確かに空前絶後な危機だな,と。であれば,2種登録となっている矢島選手を含めて,まさしく「総力戦」だな,と感じます。


 と,エル・ゴラッソ紙に掲載されている,古屋さんのコラムをもとに,ひさびさにプレビュー的なエントリを書きはじめてみたわけですが。


 個人的には,自分たちのリズムで試合に入っていけるかどうか,が鍵のひとつではないかな,と感じます。古屋さんが指摘するように,先制点を奪取することが重要ではありますが,その前段階,の話であります。相手守備ブロックを揺さぶる,ブロックに隙を生み出すためにどのようなやり方を選択するべきか,という部分で,緩から急,という部分を表現できるようになってきているように感じます。縦へのチャレンジを引き出すために「緩」な部分を存分に生かし,縦と急を組み合わせる。その縦からリズミカルにボールを動かし,さらにスペースを切り開いていく,と。相手の隙を見出すための時間と,自分たちが動き出すタイミングを合わせるために,スローな時間帯をしっかりと持てるようになっている。
 ボール奪取勝負を相手が挑んでくるとすれば,前節での戦い方が意味を持ってくるでありましょうし,ボール奪取位置を高めにセットしてくるようであれば,鹿島戦での戦い方が意味を持ってくるはずです。あるいは,(時間帯限定の仕掛け方になりましょうが)相手が想定するよりも速くボールを動かすことで,相手の違和感を誘う,という方法論もあり得ます。いずれにしても。相手のリズムでボールを「回させられている」,ボールを「奪いに行く」形では厳しい。自分たちの形でボールを奪えるように,回せる形で試合に入ってほしい,と思っております。


 誰がピッチに立つか,という部分も確かに重要ですし,リザーブを満足に組める状態ではない,というのは望ましいことではありません。けれども,誰がピッチに立とうとも,狙うべき目標はただひとつ,「勝ち点3」の奪取であります。「誰が入ろうとも,浦和のフットボールは浦和のフットボール」と言い切れるようになるためにも,結果を貪欲に求めてもらいたい,と思っています。