メンタリティ。

“OUT”方向があって,“IN”方向があって。


 相変わらず,スポーツ・メディアなひとたちは人事方面なお話がお好きなようです。
 フットボールを決定付ける要素,そのひとつが「個」であり,その個にかかわる部分が重要であることは理解しているけれど,“ONE AND THE ONLY”だとは思っていなくて。もちろん,思うところは当然にあります。ありますが,ファースト・チームはシーズンを戦っている時期です。であれば,この人事方面なお話。オフィシャルから何らかのリリースが出されたら,そのタイミングで個人的に思ってきたこと,思っていることを書いてみようかな,とは思っています。


 さてさて。月曜日の“エル・ゴラッソ”紙でありますが。


 浦和番をしておられる,古屋さんのショート・コラムが掲載されています。タイトルに掲げられた言葉は,「地味で重要な」。ということで,ちょっと今回は古屋さんのコラムをもとに。


 不調を脱するに当たって,フォルカーさんがどんな処方箋を書いたのか。そんな視点で古屋さんはコラムをまとめています。そしてフォルカーさんが書いた処方箋には「メンタリティ」という言葉があった,と。
 自らを振り返ってみても,「減点法」で物事を捉えている時間が長いかな,と思います。もちろん,減点法にもしっかりとしたメリットがあって,減点法という方法論そのものまでが否定される理由はない,とは思うのだけれど,減点法な発想だけにとらわれてしまうと,最終的には自分が拠って立っているはずの基盤までもが揺らいでくるし,不安感に占領されることにもなってしまう。
 自分たちが拠って立つべき基盤,必死になって構築してきた基盤を自分たちで崩す方向に意識を持っていくのではなくて,「どこまで達成できたのか」,自分たちのやり方がどの時間帯,どの段階にまで通用したのか,という方向性からやってきたことを見直してみることも大事な要素ではないか。


 なるほどね,なのであります。


 確かに,悪循環から抜け出せていないな,という印象は強かった。心理的な要素がフットボール・スタイルを揺るがいているかのような印象も。フットボール・スタイルからして,難易度が高いものです。ポジティブな意識を持ったままに,さらにインテリジェンスを要求するフットボールなのだから,確かに負荷は高かろうな,と。
 であれば,「高み」を落とそうという水準にまでいまのフットボールを引き上げるのであれば,心理面で強くあることは,フォルカーさんであり古屋さんが指摘するように,重要なことかも知れない。


 即効性のある処方箋,というわけにはいかないだろうけれど,ファースト・チームの体質を改善し,強化していくためには必要不可欠,と言うか,回避不可能な要素。そんな印象であります。