理想主義者であれ、現実主義者であれ。
いささか矛盾したことをタイトルに書いていますが。
この矛盾を平然と抱えているのが,フットボール・コーチかな,と思うのです。
祝祭も終わりましたし,軸足を浦和に戻して書いていこうと思います。
とはいいながらも,祝祭から拾い出せることも当然ながらにあって,そんな視点で書いていくと。
ファン・マルバイク監督のアプローチは,確かに賛否両論だろうな,と思います。ですが,オランダに最も欠けていたのが何だったのか,ということを考えてみると,決して全面的に否定されるべき発想でもない,と言えるはずです。フットボールにおける「勝負」の側面,その存在感が希薄だったのは確かだし,ファン・マルバイク監督は「勝負」である,という認識を徹底させた,と見ることもできる。
もうひとり。ヨアヒム・レーブ監督はジャーマン・フットボールのイメージを相当に変えてきたな,と思います。どこか,ファン・マルバイク監督が否定したフットボール・スタイルと相似形を描くような,そんなフットボールを志向してきた。
ふたりのアプローチ,その中間点のどこか,をフォルカーさんには狙ってもらいたい,と思っています。
基本的に,フォルカーさんはレーブさん型,でしょう。ときに,ファン・マルバイクさんのような姿も見せてもらいたい,と思うわけです。
要はバランス感覚,と言いますか。
自分たちのコンディションを冷静に見極めながら,という判断も重要になるし,フットボールでは重要な要素である,「相手」の存在もあります。相手がストロング・ポイントを徹底して抑え込むようなゲーム・プランを描いてくるようなチームならば,そのプランを積極的に壊しに行けるような方向性を打ち出せなければ意味がない。正面突破を図るのも一策ではあるけれど,今季は狙うべき目標が明確にもなっています。昨季の轍を踏むわけにはいかないし,「勝負」であることを前面に押し出すような戦い方をしていかなければならない時期もある。そのときに「勝負弱さ」を露呈するわけにはいかない。
狙うフットボールへの手掛かりを確保しながら,同時にフットボールが持つ,「勝負」の側面にこだわっていけるかどうか。フォルカーさんの,「指先のフィーリング」が問われる時期になりつつあるな,と。
ACL組の4試合が消化されることをもって「暫定」という言葉が外れて,本格的なリスタート,となります。
グリーン・フラッグが振られるのは日曜日(第13節第2日,ですからね)。どれだけ鋭く,グリーン・フラッグに反応できるか,そのための準備を,と思うところです。