OB会に期待すること。
内舘さんの引退試合ですか。
浦和の「旗頭」だった選手なのですから,楽しみであります。
ちょっと思い出してみますに,本拠地が中野田へとシフトしていく時期と,内舘さんのピッチでのプレゼンスが上がっていった時期は重なっているようにも思います。
中野田での歴史,その初期段階を確かに刻んだ選手。
そう考えるならば,中野田でのテスティモニアル,というのが最も相応しいかも知れません。
というように内舘さんの引退試合も楽しみなのですが,個人的にはまだ期待していることがありまして。
日刊スポーツさんの記事をもとに,OB会についてちょっと書いてみようと思います。
発起人は,水内さんに西野さん,そして内舘さんだとのこと。
そして活動目的は,地域貢献とセカンド・キャリアに対するサポートだとのことです。
ここで個人的に注目したいのは,セカンド・キャリアに対するサポートです。加えて言うならば,三菱重工サッカー部OB会との協力体制は,この部分と大きく関わっていくのではないか,と思うのです。
ちょっと,浦和の歴史を思い返してみますに。
マネージメント方面から選ばれた方と,フットボール方面での経験から選ばれた方がバランスを取るようにして,ボード・メンバーとなっていたように感じます。現段階では,チーム・マネージメント(特にファースト・チームに関するチーム・マネージメント)とクラブ・マネージメントを切り離すという方向性に動き出していますから,必ずしもバランス志向のボード構成でなくとも,という段階に差し掛かっているようです。
ならば今度は,フットボール方面の人間がクラブ・マネージメント方面での経験を積み,ボードに入っていくという段階へと踏み込んでいかなければならない,と思うのです。そのときに,かつてのサッカー部のひとたちは,絶好の「お手本」になってくれるのではないか,と思うわけです。もちろん,直接的に浦和のマネージメントに,という形に限るものではありません。間接的なものを含め,ポジティブな影響を受けることができるのではないか,と思うのです。
ちょっと遠回りな話をしますが。
浦和は,同好会からプロフェッショナルへと発展してきた,イングランド的な歴史を持つものではありません。
実業団リーグからの歴史を引き継ぎながら,「しっかりと地域に根ざし,地域に対して開かれた存在として認知されると同時に地域のひとたちから愛されるべき」プロフェッショナル・クラブです。浦和で培ってきている歴史とともに,三菱重工(自工)サッカー部が培ってきた歴史,伝統を引き継いでいるプロフェッショナル・クラブ,とも言えるでしょうか。
ある意味,浦和にとってのアセットは浦和のみならず丸の内にもあるはずだし,田町にもある,と思うのです。
ならばこそ,重工OBであったり自工OBとの関係は良好でありたいし,その良好な関係は結果として,将来的なクラブ・マネージメントにとっても大きな意味を持ってくれるのではないか,と期待するのです。
浦和のファースト・キットに袖を通し,キャリアを終えた選手が,いつかクラブ・マネージメント中枢に戻ってくる。
中野田のダッグアウトであったり駒場のダッグアウトに,コーチング・スタッフとして戻ってくる,あるいはチーム・マネージメントを担当する人間としてクラブに戻ってくれることと同じくらい,意味あることのように思います。
短期的に蒔いた種が育つような話ではないかも知れませんが,いつか,大きな幹になってくれる,その可能性を持った組織になってくれることを期待したいと思います。