「足らざるもの」の中から。

ちょっとした抵抗,だったのかも知れません。


 フットボール・フリークとしては,どこかで気になっていたのは確かです。なっていながら,素直に見るつもりもまた,なかった。


 でも,結局は足を運んでいた。


 フットボール・フリークとしての意識と,軸足をやっぱり意識してしまう部分と。ならば,軸足目線で見てやろうじゃないか,と。


 そんな意識で,国立霞ヶ丘にいました。決してニュートラルでもなければ,虚心坦懐でもなく。あまりに早くシーズンは終わってしまっているわけですから,威力偵察,という意味合いでもない。でも,国立霞ヶ丘で展開されるフットボールをシッカリと見つめる中で,2008シーズンに積み残されてしまったもの,その大きさを感じるところがありました。


 浦和は,“2008スペック”という言葉が使えないほどに,狙うフットボールが揺らいでいました。


 カウンター・アタックを主戦兵器とするのか,それともポゼッションからの加速なのか。そもそも基盤を確定させないままにシーズンを迎えてしまったがために,チームの意識が崩れはじめてしまうと,その流れを押し止めることができなかった。


 リーグ戦においても,カップ戦においても倒すべき相手。彼らは,「基盤」をコンディションが悪化している状態にあっても失わなかった。


 前のエントリでは,あえて“リアル”という言葉を使いましたが。厳しく言うならば,決して「徹底された」リアリズムではありませんでした。自分たちの軸足から,大きく外れない限度におけるリアリズム,だったように感じます。
 相手は,ハイプレスからリズムを生み出すフットボールを徹底しています。そのプレスに,ミスから引っ掛かる局面があまりに多かった。ひとりひとりの選手,彼らのメンタル・タフネスで辛うじて,チームのスタイルが維持できていたゲーム,と見るべきかも知れません。


 彼らが,厳しい状態でも持ち続けた「らしさ」。


 「足らざるもの」とは,「基盤」なのだ,ということを痛感させられたゲームでもありました。その「らしさ」,浦和にとっての新たな「基盤」を作り上げていくのが,2009シーズンということになるのでしょう。


 相変わらず,長いエントリが多いですが。


 お読みいただけることに感謝,です。ユルユルと,見たいこと,書きたいことがある限りは書いていこうと思っておりますので,変わらぬごひいきをいただけるとうれしい限りです。
 では,2009年も変わらぬごひいきをお願いしつつ,エントリを締めくくりたいと思います。