迷いとズレと。

かなり時間帯限定で,チームが取り戻すべき方向性が見えたこともありましたが。


 少なくとも,前半は前節の問題点をキャリーしていました。単純にキャリーしていたわけではなく,守備面にまで悪影響を与えていたかも知れません。


 仕掛けがしっかりと組み立てられない。のみならず,中途半端な態勢でボール・コントロールを失う。
 そんな状態で,ファースト・ディフェンスが仕掛けられるはずもなく,相手の仕掛けを受け止めなければならないわけですから,最終ラインを押し上げていくのはなかなか難しい相談になってしまいます。
 でも,06シーズンや07シーズンのような形でのリトリートが成立していないわけですから,守備ラインが深いことのデメリットの方が,相対的に大きくなってしまうように受け取れます。


 それだけではなく。


 最終ラインからフィードを仕掛けようとしても,ボールを収めるべきポイントが明確になっていないからか,「迷い」を生じているかのような時間帯が生じていたように感じます。
 この迷いは,ピッチに立っている誰もが,程度の差こそあれ持っていたように感じられます。連動性という部分で問題を抱えているから,相手の鋭いプレッシングに対してサポートが入っていけず,ボールを失っていく。


 鋭いプレッシングから,ボールをセンターではなくてアウトサイドに展開,アウトサイドと最終ラインの間に生じるスペースを徹底的に攻略する,という相手の形に見事に乗せられてしまった。


 ・・・戻るべき場所は,恐らく守備の形。


 どのようにプレッシングを仕掛け,どのような形でボールを奪うのかが不明確なままでは,チームが悪循環から抜け出せなくなるかも知れません。
 04シーズン型のプレッシングから攻撃へのリズムをつかむのか,それとも05〜07シーズン型のリトリートを基盤とするプレッシングから,ビルドアップしていくのか。
 この基本的な部分から再確認していかないと,「個」だけが突出してしまい,個を束ねるための「組織性」が疎かになりかねない。個を光らせるために,どんな機能が求められているのか,徹底したディスカッションを,と思います。