いつかどこかで見た話のような、ないような。

時と場所がまったく違うのに,実際に発生した出来事だけを取り出してみると奇妙なほどに類似している。


 タイトルにも書きましたが,「いつかどこかで見た話のような」ことが,実際に起きる。ちょっとそんな感じもするな,と思ったりするのであります。今回は,こちらの記事(日刊スポーツ)を参考に,ちょっと短めに書いていこうと思います。


 「いつかどこかで見た話」とは,FAバークレイズ・プレミアシップ,2005〜06シーズンの最終節(正確には,その前日から最終節にかけて)であります。


 そして,運悪くこの話の当事者となってしまったのは,トットナム・ホットスパーの主力選手であります。以前,「最終節と予想外の結末。」いうエントリで扱ったことがあるのですが,ウェストハム・ユナイテッドとの最終節(アウェイ・ゲーム)に臨むべく,普段通りに前泊をしていたホテルで食べたモノ,そのおかげで食中毒を起こしてしまってチームが事実上の機能停止になってしまった,という話です。このときは,スパーズ・サイドが再試合を要求したのですが,結局却下されてしまっています。


 ・・・ディテールを見ていくと,今回浦和が見舞われたトラブルとは違っています。正確に,「いつかどこかで見た話」にはなっていません。むしろ,「ないような」の方に近い感じもします。


 でも,ディテールまでが同じだったら最悪どころの騒ぎではありません。ちょっと,スパーズの置かれた立場を参考にして仮定論をしてみましょうか。


 実際のトーナメント表を見ると,マッチナンバーは65,開催地は埼玉スタジアム2002であります。しかし,マッチナンバー70(長崎)であったり71(丸亀)だったとすれば,前泊の必要が出てきます。そして,その前泊中にこのような被害をまともに受けたとすれば,まさしくスパーズに降りかかった悲劇と相似形になってしまうわけですから。“DOUBLE”の可能性どころではなくなるわけです。


 実際にはあり得ない,純然たる仮定論ですが,リスク・マネージメントというのはメディカル面にも求められる,ということは少なくとも言えるのではないでしょうか。原因菌として疑われているノロウィルスにしても,関西方面ではかなりの流行を示しているようですが,関東エリアに住んでいるとそれほど実感を持って脅威だとは感じられません。ですが,かかってしまうと相当なダメージがある,というのは今回参考にした記事のみならず,ほかのスポーツ・メディアでの記事でも理解できるところです。恐らく,スパーズを混乱に陥れた原因菌も,追跡記事を見ていないので「推測」の域を出るものではありませんが,“ノロウィルス”ではなかったかと考えます。


 それでも,開催地が埼玉スタジアム2002であって移動の必要がないこと,また,マッチデイに向けたリード・タイムがあって,コンディショニングにかけられる時間がある程度は見込めるのは「不幸中の幸い」と言って良いと思うわけです。