Taxi to Runway.

ヒコーキが離陸する前の時間というのは,ちょっとした緊張感と期待感が同居するような感じがあります。


 ボーディング・ブリッジから離れ,方向転換を終了すると滑走路へのタキシングがはじまります。クルマ好きとしては,ストレージや内装から発生するノイズが気になってしょうがない時間であったりもする(それゆえ,さっさと離陸してくれぃ!と思ってしまう)のですが,キャプテン(JFAの,じゃあないですよ)の個性がちょっと顔を出す瞬間であったりもするように思います。


 特に,機材調達の都合などでフライト・スケジュールがタイトなものとなっている場合,あるいは滑走路が混雑している場合には,なかなか豪快なタキシングが経験できたりします。


 通常,滑走路では一旦ストップして(安全確認,という観点からすれば,当然の手続ですね),そこからエンジン出力を引き上げてからブレーキをリリースするような感じがするのですが,滑走路の安全が十分に確保されていて,かつスケジュール的に急がなければならない状況では,時に離陸時のルーティンを破るひとも出てくるわけです。確か,ルフトハンザの欧州路線でのことだったかと思いますが,そのときもフライト・スケジュールはどういうわけかタイトでした。そのことをパイロット氏は意識したのでしょうか,タキシングも比較的速い速度だったように思います。
 導入路から滑走路に入っていく最後のカーブ。その途中からエンジンのスロットルを豪快に開け,滑走路に入った段階ではすでにフル加速状態に入っているようなタキシングでした。そんな具合でしたから,離陸してからの上昇速度もかなりのものでした。


 時に,トップが代わるというのは,機長さんが代わったときのヒコーキのようなものではないかな?と思ったりします。同じ会社(ヒコーキ)であることに変わりはないのだけれど,微妙にカラー(ヒコーキの飛ばし方であったり,マネージメント手法)が変わっていくというか。


 ということで,前置きが長くなりましたが,こちらのリリース(オフィシャル)に関する話など。


 前任の犬飼さんは,間違いなくワタシがたまたま乗り合わせたルフトのキャプテンのように,果敢な判断によってクラブを引っ張ってこられた方かな,と思っています。犬飼さんがトップとしてクラブを引っ張ってこられた期間は,サイコーのフライトだった,と思います。ヒコーキ自体もいままでとは違ったパワフルさを感じさせるようになったし,見える景色もいままでとは違うものとなった。


 新任となられる藤口さんが,クラブというヒコーキをどう離陸させ,どういうフライト・プランを持っているのか。まだ,ボーディング・ブリッジを離れたばかりですから,ちょっとした緊張感と期待感が同居しているような感じがあります。


 どういう景色を見せてくれるのか,どういうアナウンスメントによって乗客を和ませ,あるいは楽しませてくれるのか。楽しみは尽きないですね。