No.15へ。

プロフェッショナル・フットボーラーとしての最善の決断,なのだろうと思う。


 その決断を尊重する以外にない,とも。


 出場記録(オフィシャル・PDF)を見ると,意外なまでに数字が少ないことに気付く。にもかかわらず,印象が深い選手だと感じる。果敢にボール・ホルダーに対してアプローチをかけていく,そんなアグレッシブなプレー・スタイルがあまりにも鮮烈だったせいだろうか。ミッドフィールドというタレントの宝庫であるポジションにあって,ほかの誰にも似ていない,独特のビートを刻むプレイヤーだったと思うし,そのビートはチームにとっても大きな要素となってくれる。そう思ってもいた。


 それだけに,クラブが急速に進化を遂げ,強豪への階段を一気に駆け上がらんとする時期に,長期にわたって戦線離脱を余儀なくされたことは残念に感じたし,当人にとっても悔しい思いをかみ殺していた時期ではなかったか,と思う。
 そして,いよいよ激烈なチーム内競争に名乗りを挙げてくれるのではないか,と思っていた矢先に予想外のプレス・リリース(オフィシャル)を目にし,正直驚いた。


 ただ,完全移籍という部分に千島選手自身の覚悟と,オファーを出した愛媛FC,彼らが千島選手にかけている期待度の高さが感じられる。フットボーラーとしてのキャリアは決して長くはない。そのキャリアを悔いなきものとするための決断なのだろうと思う。是非とも,彼らの期待に応え,キャリアのピークを新たな舞台で表現してほしいと思う。戦うフィールドは違えど,独特のビートをピッチに存分に刻んでほしい。


 最後に。真紅のユニフォームをこよなく愛してくれたフットボーラーだったということを忘れずにおこうと思う。