「いつかは来ること」を糧に。
勝ち点3を奪取できなかったことは,確かに痛いわけですが。
それよりも,今回明確になった課題をチームとして共有し,しっかりと解決すること。
そして,当然のことですが同じようなアプローチをかけてくるチームに対してしっかりとした対処法をチームとして確立すること。
敗戦を通じて,シーズン全体を通してのメリットを作り出せばいい。そんなことを感じています。
ゲーム後半はラッシュを掛けている時間帯が非常に多かった。
ですが,“パワープレー”を仕掛けるとしても,その攻撃がピンポイントであるという部分で「もったいなさ」を感じました。相手はポイントとなる選手に対してストリクト・マンマークを徹底することで最終的なフィニッシュを良い形で作り出せないように最大限の努力を払い続けていました。
そこで,であります。
リフレクションをどう活かすか,という部分で「縦」へのスピードを意識できると良いな,と思うわけです。確かに高い決定力を持ったプレイヤーがそろっているけれど,相手はその決定力を封じるべくマーカーを張り付けているわけです。ならば,彼らをフィニッシャーとして位置付けるのではなく,ワンクッション置いたフィニッシュをイメージしていくことも一策かなと。
ボール・ポゼッションを背景とするビルドアップから攻撃を組み立てるスタイルへとシフトしている2006シーズン・スペックの浦和にあって,うまくカウンター・アタックの要素を織り込むことができるならば,スペースの狭さを打開できるのではないか。ここ数節は間違いなく,浦和が「さらなる高み」を目指すためには解決しなければならない課題が提示されてきたように思いますし,今節はその課題がより明確な形を持って提示されたような気がします。
・・・さすがに最初からゲームそのものを書いていこうという気にはならないですね。
ちょっとゲームから感じたことをできるだけ冷静に書いてきましたが,レフェリングについてはちょっと冷静ではいられない部分もあったりします。そこで,ちょっとだけ。
「カード」を通じてゲームをコントロールしようというのは,あまりに稚拙ではなかろうか,と思う。
当然,プレイヤーを危険にさらしかねないプレーに対しては断固たる判断をすべきだと思うし,そういう観点からのカード提示は決して躊躇されるべきではない。
しかし,そういうプレーが出てくるときには,必ず何らかのきっかけがあるはず。レフェリーに求められるのは,そのきっかけを察知することで未然に危険なプレーが発生する芽を摘むことにあるのではないか。コミュニケーションを通じて相手に冷静なプレーを促しても良いし,ケースによってはある種の威嚇を挟み込むのも一策だろう。
しかし,今節のレフェリーにはコミュニケーションを意識するどころか,プレイヤーを不必要にエキサイトさせるような印象があった。ゲームを「支配」したいのか,と思うほどに。そういう姿勢のレフェリングはゲームを決して良いものとはしない。
しかし,そのレフェリングに過剰反応するのもどうか。
よもや,昨季シーズン序盤予想外の失速を喫したひとつの背景に,レフェリングに対する過剰反応,必要以上にナーバスになってしまったということがあることを忘れているわけではないだろうと思う。不可避的なカードと回避可能なカードというものがあるとすれば,自分たちがレフェリングに対する不満をためていった結果として後者に当てはまってしまうというのは,最悪の悪循環だろうと。
この点も含めて,しっかりとした“リスタート”をすることが最も重要だろうと思う。