ウェンブリーとブリティッシュ・ジョブ。
やっぱり,ロンドン・アイより問題だと思います。
そもそも,ロンドン・アイはまだ庇いようがあるわけですよ。
確か,テムズ川の上に大きな作業用台船を並べて,ゴンドラが付くホイールを完全に組み上げて,その後そのホイールを大型クレーンによって引き上げるという,かなり独創的な工法を採用していたと記憶していますが,なかなかそのホイールが引き上げられなかったわけです。そのために,工期がズレ込むことになった。ちょっと特殊な手法を使ってしまったために,工期が延びてしまったと見れば見ることができます。
しかしですね。
ウェンブリーのどこを見ても革新的(あるいは独創的)な工法が採用されているようには見えないし,確かに大規模な建設工事ではあるけれども技術的な問題を抱えているようには思えない。となれば,資金的な問題が工期に影響を与えたか,あるいは失礼な想像ではあるのだけれど実際に働いているひとたちの士気に何らかの問題があるか,ということになってしまうように思えます。
こちらの記事(日刊スポーツ)によれば,竣工時期が2007年にまでズレ込んでしまうとか。ジュビリー・ラインの延伸工事とまったく同じパターンになってしまったようであります。
トリノ五輪が開幕しようかという時期,TVメディアでは突貫工事の様子が特派員報告で伝えられていたように記憶しています。“イタリアン・ジョブ”という,あまりポジティブな意味ではない言葉とともに。ならば,彼らの仕事も“ブリティッシュ・ジョブ”と呼ばれるべきだろう。そうでなければフェアじゃあないよな,などとイングランドびいきの私でさえ感じます。
・・・にしても,困った事態ですよねェ。