アタッキングサード。

ある意味,浦和のフットボールを表現するひとつの鍵かな,と。


 10/26,27日号のエル・ゴラッソ,その見開き面であります。


 マッチ・プレビューが掲載されているわけですが,ワタシはその下に書いてある「攻撃サッカーのススメ」という浅野さんが書かれたコラムに興味をひかれました。そして,浦和に関しての記述でキーワードだな,と思ったのがタイトルに掲げた「アタッキングサード」という言葉だったわけです。
 このコラム,かなり簡潔ですが鋭い指摘が含まれているように思います。


 シーズン半ばにして浦和を去った稀代のストライカーは,ペナルティ・エリア付近だけで決定的な仕事をしていたわけではなく,エリアに飛び込む動きの中からシュートを放つというスタイルをも合わせ持っていたように思うのです。現在戦線離脱を余儀なくされている“11番”も,どちらかと言えばペナルティ・エリア内で決定的な仕事をするフィニッシャー・タイプではなく,ボールを巧みに保持しながらエリアに切り込んでいくスタイルを持ち,その切り込む動きの中でシュートを放つタイプに分類できるように思うのです。いままでの浦和は,そんな彼らの特性を引き出すようなフットボールを組み立ててきた,と見ることもできるでしょうか。


 そんなスタイルに明確な拡がりをもたらしたのは,間違いなくトミー・マリッチでしょう。


 ただ,もうひとつのエリア付近からの飛び出す動きは戦線離脱の影響を受けるかも知れない。また,パス・ワークを今まで以上に強く意識しながら相手守備ブロックを崩していかなければ,フィニッシャーのポテンシャルを最大限に引き出すことはできない。その打開策が見られるかどうか.リーグ戦最終盤を左右する要素は恐らく,この点にあるのではないかと個人的に考えています。


 これ以上のことについては,シーズンが終わるまではあまり正確な表現をここでするのは控えたいな,と思う類の話でもあります。


 ただ一点言うならば,大宮戦で採用してきた布陣は,ひとつの解法を示しているように思うのです。三角形か,逆三角形かという違いはあっても,距離感とコンビネーションが重要な意味を持っているように感じます。