ニューカッスル、来襲。

と言いましても,“マグパイズニューカッスル・ユナイテッド)”のことではありません。


 「楕円球」方面のプレミアシップに所属するチーム,“ニューカッスル・ファルコンズ”のことでありまして。


 スポーツ・メディアの扱いはあまりに小さいのですが,マッチ・スタッツ(JRFUオフィシャル)を見る限りではニューカッスルのプレーはシーズン同様のものだったことがうかがえます。
 基本的には“ジャパン・ツアー”であり,完全なるインターナショナル・フレンドリーなのですが,ファイナル・スコアだけを取り出してみれば完全に“フレンドリー”の域を超えています。ある意味,シーズン開幕をしっかり見据えたPSM,あるいはTMという位置付けで来日したのではないでしょうか。正直なところを言えば,タイトルに掲げたように「来襲」という言葉がしっくりくるように個人的には思えます。


 前半だけを取り出して(最大限,好意的なバイアスをかけて)みれば,今回の対戦相手であるNECグリーンロケッツも善戦した,と評価できるかも知れません。ただ,前後半を通じてノートライ,得点に関してはPGが1本とDGが1本(失敗を含めると2本)という事実を見れば,「完敗」という言葉以外には見つからない。
 対して,8トライ・8コンバージョン(!であります。ゲーム時間が何分あるか,それからかかった時間を割り出してみて下さい。)という後半のスタッツを冷静に見れば,ニューカッスル・ファルコンズは冷静にNECの戦術,プレイヤーの動きを観察し,どういう攻撃を仕掛ければ相手ディフェンス網を突き崩すことができるのか見極めるために前半の時間をじっくり使っていた,という見方ができるかと思う。そんな,「様子見」をしながらも開始直後の2分にはDGを奪い,しっかりと2トライ・2コンバージョンを奪ってみせる。


 ・・・このゲームを俯瞰的に眺め,「個人能力」の差がこのファイナル・スコアに表れていると言ってしまうことは簡単だと思います。


 ですが,必ず「局面ベース」で見れば日本人選手がラグビー・ネイションに対してどのような攻撃を仕掛けるべきか,あるいはどのようなディフェンスを敷くべきか,そのヒントが隠れているはずです。残念ながら,ワタシはゲームの状況を知る立場にはない(埼玉スタジアム2002にいましたから。)ために,これ以上のことは言えないけれど,NECでジャパンに名を連ねている選手には,ジャパンに還元できる要素を見つけてくれたことを期待しています。


 “フレンドリー”であればこそ,どの部分がラグビー・ネイションのクラブチームにやられたのか,あるいはどの部分が局面を打開する要素となりうるものか,冷静に見ていくことが必要でしょう。23日には,豊田スタジアムトヨタ自動車ヴェルブリッツとのゲームが組まれています。彼らがどれだけニューカッスルの攻撃を抑えられるのか,あるいは得点をどういう形で奪えるのか,注目してみてみたいなと思っています。


 ・・・ああ,それにしてもこの得点差は何より悔しい!