対北朝鮮戦(東アジア選手権)。

いつもよりも短め(と言うか,長く書くこともないような・・・。)ではありますが,書いていくことにしますと。


 ゲームを通じて,主導権を北朝鮮に握られてしまっていたように感じる。


 中継のコメンタリーが「やりたいことを北朝鮮チームにやられている」といったニュアンスのコメントをしていたが,まさしくこのゲームを端的に示すフレーズではないかと感じる。ゲーム序盤から「受けて立つ」という意識が働いたのか,チーム全体が各局面で積極的に仕掛けているようには見えなかった。むしろ,相手の高い位置からの厳しいプレッシャーに戸惑っているのか,縦へのポジション・チェンジなどの「縦への意識」が具体的な形として表現できず,互いの位置関係が大きく変わらないままに攻撃を中途半端な形で終えているように見えた。


 また,攻撃,守備を通じてのリズムが“スロー”であるような感じがした。


 攻撃に関してはボール・ホルダーがワンテンポ置いてから次のアクションに移っているかのような印象があり,そのために縦方向のコンビネーションが成立しにくかったのではないかと感じる。また守備面においても,ボール・ホルダーに対するアプローチのタイミングが遅いために自由な時間を相手に与えてしまっていたように思う。


 対して,北朝鮮は明らかにボール奪取ポイントを高く設定し,中盤で積極的にプレッシャーをかけ続けた。ワールドカップアジア地区最終予選とは明らかに異なるプレー・スタイルである厳しいプレッシングを受けたことで,完全に心理面で後手に回ってしまったのではないか。失点時の中盤〜守備ブロックの混乱は,そんな心理的側面が反映しているものではないかと感じる。


 大会に突入した段階では,戦術面での問題を指摘するよりも,心理面でいかに優位に立ちながらゲームに入っていくか,という部分での修正をかけることが大事な要素になってくるように思います。


 確かにアジアカップを制してはいますが,相手がどこであれ国際Aマッチのレベルだと「受けて立つ」ことは致命傷になる,と思います。積極的に仕掛けていく姿勢を失わないようにしなければ,日本の攻撃スタイルを存分に表現するのは難しいはず。ラウンドロビンではライバルの後塵を拝する形になりましたが,それだけにテーブル上位にプレッシャーをかけるためにも第2戦がより大事になったように思います。