対新潟戦(05−13)。
今節を,俯瞰的に眺めれば。
HOT6とされるリーグ6連連戦の初戦が,カップ戦の1回戦のように感じられた。それだけに,個人的には「カップ戦初戦のような厳しいゲームをしっかりと逆転で勝ちきったゲーム」と見ることができるかと思う。また,局面ベースで考えると,リーグ戦中断時に開催された国際親善試合2ゲーム(対ハンブルガーSV戦,対バルセロナ戦)から得られた戦術的ヒントを基盤とした,「変化の萌芽」を感じられたゲームだったように感じる。
入り方自体は,決して悪いものではなかったと思う。ただ,早い時間帯に訪れた決定機を逸したことでリズムを崩してしまった部分が前半に関してはあったように感じる。
個人能力だけに依存することなく,ダイレクト・プレーの連続によって相手守備ブロックを切り崩しにかかる,という意図が前半早い時間帯には明らかに看取でき,その攻撃的意図が決定機に結び付いたものと思うのだが,先制点を奪取できなかったことで組織的に崩す,という意図が若干影を潜め,ロングレンジ・パスと個人能力による局面打開,という攻撃パターンに傾き始めてしまったように思う。相手はカウンター・アタックを明確に意図した戦術を徹底されているように感じ,前半における失点はその新潟の描いたゲーム・プランに浦和が乗せられてしまった,という印象がある。
後半に入って,強引な局面打開によってリズムを崩しかけている前半の流れを断ち切ったのは,中盤からの積極的な前線への飛び出しであり,またはミドルレンジからの積極的なシュートだったように感じる。その図式から生まれたのが,我らが主将の同点弾であるように思う。そして,逆転シュートを生んだ攻撃は前半の段階で見えていた組織的に相手守備ブロックを崩しにかかるものだったことが印象に残る。
相変わらず,1日遅れで書いておりますが。
中断前と比較して,「コンビネーションによって相手守備ブロックを切り崩す」,という意図が明確に見えてきたことが,今節における最大の収穫ではないか,と感じています。
もちろん,追い込まれた状況では強引な局面打開に依存する傾向がありますが,中盤,ケースによっては最後方の選手を含めた積極的な攻撃参加によって相手ディフェンス網を攪乱していくことが,恐らく「浦和シフト」としてカウンター・アタックを明確に意図するチームに対して有効に機能するように感じます。
いずれにせよ,“トーナメント第1回戦”において勝ち点3を奪取できた(しかも,逆転で)ことは,このあとのゲームに良い影響を与えてくれる,と思っています。