ブーツを脱いだファンタジスタ。

ティフォージにも,フットボール・フリークにも愛されたフットボーラー。


 そんな選手がブーツを脱ぐ,という記事(スポナビ)を見つけ,同じサイトで紹介されていた彼の略歴(スポナビ)を見直しながら,ちょうどチェルシーでプレイしていた時期と,私がロンドンに住んでいた時期が重なっていたことなどを思い出していました。


 ジャンフランコ・ゾーラ。


 一時期,彼が所属していたクラブから程近いところに住んでいながら,彼のプレーをスタンフォード・ブリッジで実際に目にする機会には恵まれませんでした。クラブ・メンバーでも,ましてやシーズンチケット・ホルダーでもない私にとっては,“スタンフォード・ブリッジ”のスタンドに入場するための(財政的な)ハードルは結構高かったのです。チューブの駅からスタジアムに向かう道すがら,マッチ・スケジュールを表示する看板があるのですが,“SOLD OUT”という表示を見るたびに「今回も無理か・・・」と思っていたことを思い出します。


 というわけで,水曜日,あるいは土曜日の午後はTVにかじりついていたわけですが,ブルーのユニフォームをまとったゾーラは,イタリア時代とは微妙にプレースタイルを変えていたのかも知れないけれど,変わらぬ魅力を放っていたように覚えています。


 実際に見る機会はあまりなかったのですが,イタリアに戻ってからの彼の活躍は“インディアン・サマー”と呼ぶに相応しいものであったようです。個性溢れるプレー・スタイルを持った選手がピッチを去ることは寂しいですが,見方を変えれば,充実したフットボーラーとしてのキャリアを最高の形で締め括ったのではないでしょうか。そう思います。