ワールドユースのことなど - 潜在能力を引き出せ。

大熊監督がゲーム後のコメント(J's GOAL)で言及された「個の強さ」が「フィジカル」に直結しているのであれば,「国際基準」という言葉に振り回される端緒を見ているような気になります。


 よく考えてみれば,去年もそんな言葉に振り回されたような気が・・・。それはともかくも。
 「国際基準」という曖昧模糊とした言葉に振り回され続けたラグビーフットボールを見ているだけに,こういう言葉には敏感に反応してしまうのです。


 モロッコ戦,なかなかいいゲームだったと思うです。


 あとでしっかり書くつもりですが(ホント,遅筆堂なもので申し訳ないです。),内容的にはベストのゲームだったのではないか,と個人的には感じています。ただ,残念ながら,フィニッシュの段階でほんのちょっとの幸運が味方してくれなかった。ワタシたち以上に,選手たちは悔しいはず。それでも,手応えを感じてくれたものと思っています。


 それにしても,指揮官が最後にそんなネガティブな発言をするとは。


 もちろん,冷静なゲームの分析は必要なことです。しかし,アウトサイドにいる評論家的な視点から分析をするのではなく,どのようにチームを発展させるべきか,という視点から分析するべきだろう,と思うのです。そう思えばこそ,大熊さんのコメントには困ってしまう。


 ゲームを通じて発展する余地が非常に大きい代表チームなのですから,もっと攻撃的な姿勢を貫いてほしかったですね。「結果」だけに思考を振り向けるのではなく,選手が持つポテンシャルを徹底的に引き出すようなチーム・マネージメントを見たかった。
 彼らがワールドユースで国際経験を終えてしまうのであれば,徹底的に勝負にこだわるのもいいかも知れません。でも,そうではない。2008年のオリンピックを現実的な視界に捉え,将来的には2010年以降のワールドカップにおいて主軸となるべき(もちろん,それよりも早い段階でフル代表を支える存在になれば言うことなしですね。)選手を育成するステップの中にワールドユースがあるはずです。
 であれば,ラスト・ゲームになってしまったわけだから,ワールドユースの先を冷静に見据えたコメントが本当は欲しかったのです。


 早い段階で,選手のモチベーションを徹底的に引き出し,モロッコ戦で見せたようなパフォーマンスを安定して発揮できるようにしてあげること。戦術面,戦略面と同様に,そんな心理面でのマネージメントも重要であるはずです。「国際基準」を言うのであれば,指揮官も国際基準という部分を意識する必要があるように感じられます。