トヨタ自動車ヴェルブリッツ対早稲田大学戦(第42回日本選手権・2回戦)。

早稲田にしてみれば,セコベだけにやられたかのような感じがしているはず。


 それ以上に,私がやられた!


 ライブ中継やらねェ,って言ったじゃあないの!お昼の定時ニュースをチェックしなかった私が甘かった・・・。


 ヒジョーにヘコんでいるErnestです。


 ふとNHKにチャンネルを合わせた時は,既に後半でありました。しかも,それまでは外出中で,テレビを見られる環境にはなかったわけです(仕方がない,とは思うのだけど,書きながらさらにヘコむな・・・。)。考えてみれば,その時点から大きくゲームが動くわけだけども,トヨタ自動車ヴェルブリッツを苦しめ続けた早稲田大学の姿は見られてないわけでして。


 それでも,後半ロスタイム。ゴールラインまであと5メートルというところまでヴェルブリッツを追い詰めながらターン・オーヴァから逆襲をくらうまでの早稲田の一連の攻撃は非常にコレクティブで,このゲームが前半の段階ではどう転ぶか分からなかったのではないか,と感じました。後半2トライを決めた(=早稲田に引導を渡した)セコベの個人技,身体能力には無条件に敬服するのだけれど,社会人トップチームであるヴェルブリッツの攻撃を巧みに抑え,1トライ差にまで詰めていた早稲田にしてみれば,充分に勝機はあったのではないでしょうか。


 恐らく,前半のゲーム運びは慎重なヴェルブリッツに対して,豪胆に攻撃する早稲田大学,という図式だったのではないでしょうか。ヴェルブリッツはかなり自陣深くまで攻め込まれ,ファールで早稲田の攻撃を抑えていたフシがあるな,と。あとでダイジェストでも良いのでチェックしないと・・・。


 ノーサイド直後,早稲田の選手たちが人目もはばからずに見せた悔しさを全面に表した表情。対して,ヴェルブリッツの選手たちの表情には「余裕」をどこにも探すことができませんでした。どういうゲームだったか,それだけで分かる部分があるように感じられます。であればこそ,ぜひ来年以降もチームに残って,チームの中軸になる後輩諸君はこういう高いレベルを忘れないで欲しいな,と思います。大学生は社会人チームに太刀打ちできない,と言われて結構長いけれど,あなたたちのチームは後半18分まで,ヴェルブリッツというトップチームをかなりのところにまで追い詰めていたのです。実際,後半開始直後はヴェルブリッツをリードしていたらしいではないですか(日刊スポーツの速報記事で知りました。なおのこと,顔を上げて欲しいな,と心から思います。)。そのゲーム感覚を忘れないで欲しいわけです。


 清宮監督は,大学選手権制覇は通過点程度に認識しており,全日本選手権制覇をも現実的な射程に捉えていたと感じています(何か,そんなインタビュー記事を見た記憶があります)。そして,その射程距離は決して無謀なまでの距離ではないようです。すでに「早稲田大学」は,クラブチームとして捉えた方が良いくらいに組織化されたチームに成長したのだな,と感じます。


 あとは,大学選手権が早稲田の独走を許さないだけの実力を蓄積したチームで戦われること,でありましょう。難しいかも知れませんが,早稲田にできることが慶應義塾,明治など古豪と言われる他大学にできないはずはない,と感じます。


 「もっと,早稲田に触発されて欲しい!」。そう願ってやみません。


 大学生の潜在能力は決して低くはない。それを存分に見せ付けてくれた前半18分までのスコアだった,と感じています。