GSX-R in British Superbike.

レース・トラックにジャンピング・スポット。


 アウトサイドから見ているだけならば,迫力を感じます。


 ですが,操る立場になって考えてみれば違った印象を受けます。マシンに掛かっていた荷重が抜けてしまうわけですから,安定性は失われます。また,着地姿勢が乱れてしまえば,転倒へと直結しかねない。となれば,できる限り“サーフェスからタイアが離れている瞬間”を短くしたいはずです。しかし,そういうセッティングをも考えなければならないとすれば,相当に“チャレンジング(厄介)”なサーキットだ,ということになりそうです。



 今回は,フットボールを離れてバイクの話であります。BSB(イギリス・スーパーバイク選手権)について,スズキ・レーシングさん(英語)のレポートをもとに。


 このレポートでは,スズキのカスタマー・チームである“リレントレス・スズキ”さんが扱われています。BSBで実質的なファクトリーとして活動しているのは,かつて加賀山選手が在籍し,現在は渡辺篤選手が籍を置く“リズラ・スズキ”です。


 さて,このリレントレス・スズキさんでありますが,なかなかセッティングがまとまらなかったようです。第9ラウンドが開催されたキャドウェル・パークは,かなりのアンジュレーションがあるコースで,やはりコースにジャンピング・スポットがあるのだそうです。そのために,“プチ・ニュルブルクリング”などという形容もされるのだと聞きます。


 端的に言って,キャドウェル・パークはライディングが難しいサーキット,という分類になるでしょう。また,マシン・セッティングも難しいサーキットでありましょう。実際,リレントレス・スズキのエース(という扱いでよさそうですね。),マイケル・ラヴァティ選手もセッティングに手間取っていたようで,本戦ではなかなかポジションを上げることができなかったようです。


 シリーズ・ランキングを見ると,現在は9位に付けています。10位との差は比較的開いていますが,8位との差はわずか2ポイント。残り3ラウンド(6レース)ですから,十分にランキングを上げていくことは可能だと思います。