BRZ。

トヨタさんはまだ,フォルムまでをアンベールしていませんが。


 共同開発のパートナーである富士重工さんは,一足先に基本的なフォルムをアンベール,であります。



 今回はフットボールを離れて,webCGさんのニュース記事をもとに,スバルの新たなスポーツについて書いていこう,と思います。


 今回,スバルがLAショーに持ち込むコンセプトは,トヨタと共同開発している新たなスポーツ,BRZであります。いつものように,デザイン面から話をはじめますと。


 いわゆるコンセプトらしいコスメティックが施されていなくて,ほぼ量産型のフォルムを見せてくれているのではないかな,と感じます。このオフィシャル・フォトを見る限り,デザイン面で意識しているのはGTマシンではないかな,と見ています。フロント・セクションからのオフィシャル・フォトがないので,まだ確定的なことは言えませんが,恐らくフロント・フェンダーのアーチがデザイン的なアクセントになっているはずですし,そのアーチのボリューム感を反復させる形でリア・セクションの造形がされているように映ります。また,Cピラーからリア・ウィンドウ部分への絞り込みをしっかりと作り込むことで,リア・フェンダーをより強調させよう,という意図もあるかな,と感じられます。ここ数年,しっかりとした面構成,と言うよりは,あえて曲線を多用するデザイン・トレンドが各メーカから感じられていたのですが,このモデルについて見れば,面の張りを意識したデザインへと回帰してきたのかな,と感じます。と,基本的な造形で頑張っている感じがするので,このコンセプトではかなりの存在感であるリア・ウィング,GTマシンを引用しているのであれば決して不思議ではない空力付加物なのですが,個人的にはウィングを装着していないフォルムもいいのではないかな,と思っています。


 とは書きましたが,こういうクルマは「走ってナンボ」であるのも確かです。


 個人的には,低重心設計がどれだけスポーティなライドに意味を持っているのか,実際に試してみたいな,と思います。サスペンション・ジオメトリーを最適化させるには,意外にエンジンの横幅が大きい水平対向は決して有利とばかりは言えないけれど,通常のエンジンと比較すれば重心位置は圧倒的に低く設定できます。ちょっと大げさに書けば,エンジンからトランスミッション,そしてプロペラシャフトからデファレンシャルまでの重心位置がそれほど大きく上下動しない,と。これは運動性能面で大きなアドバンテージになるだろうな,と思うわけです。


 そして,スポーツでありますからどれだけ軽量に仕上がっているのか,も興味です。


 現代的な要請をクリアしようとすれば,どうしても軽量に仕立てるのが難しくなってくる,などと聞きます。けれど,やはりスポーツは軽く仕上がっていてほしいな,と思うのも確かです。動的な安全性を高めるためには,軽量に仕上げて運動性能を高める必要がある,という言い方もできるわけですし。であれば,実際にショールームにこのクルマが展示されるときに,どれほどの車体重量になっているか,注目してみたいと思います。