"Thanks!"を言うために。

いつかは来る,「契約満了」という時期。


 ですが,ドイツ・メディアが先行して掲載した記事を共同さんが配信,各スポーツ・メディアもしっかりと追随してしまった段階で,ほぼ既定路線化しているかのような感じもありましたから,このニュース・リリース(オフィシャル)を読んでも,驚きを感じると言うよりは,あらためて確認した,という感じが強くあったりします。ただ,少なくとも現時点で言えるのは,クラブ,指揮官双方にとって「本当の意味での」幸福な契約満了にする必要がある,ということではないでしょうか。


 確かに,最終節において「勝ち点3」を奪取し,最高の形でリーグ戦を制しています。それだけではなく,就任以来の3シーズンを思えば,攻撃的な姿勢を決して失うことなく,同時にリアリスティック,しかもハードにディフェンスできる強固なチームを作り上げてきた。感謝の言葉はどう言って良いかわからないくらいです。


 ですが,やらなければならないことが,まだ残っているのも確かなことです。


 いつだったか,「可能性のあるタイトルは,すべて獲りに行く」とギドは明言しています。そして,残されたカップは,単なる可能性で片付けてはいけないカップです。何より,カップ・ホルダーとして,しっかりとトーナメントの山を駆け上がっていかなくてはならない立場にある。先のエントリに書いた“DOUBLE”は,可能性として意識すべきものではなく,課せられたタスクとして意識すべきものだと思うのです。最後に残されたピース,といっても良い。このピースをあるべきところにはめ込むことで,本当に「幸福な関係」が締めくくれるように思うのです。


 シーズンはまだ終わっていない。


 ひとつひとつ,トーナメントという山を登り,国立霞ヶ丘で小さな,でも伝統の重みを感じられるカップを再び掲げるときまで,その姿を見届けられるまで“Thanks!”という言葉はとっておこう,と思うわけです。